第55回ヴェネツィア・ビエンナーレのテーマは「エンサイクロペディック・パレス」

2013年6月に開幕する第55回ヴェネツィア・ビエンナーレのアーティスティックディレクターを務めるマッシミリアーノ・ジオーニは、同ビエンナーレの総合テーマを「エンサイクロペディック・パレス」となることを発表した(2012年10月25日発表)。
1955年11月16日、イタリア系アメリカ人マリーノ・アウリティは、人類の偉大な発見を纏めたすべての知識を保管する空想の美術館「Il Encyclopedico Palazzo del Mondo」の計画をアメリカ特許局に提出する。この計画は実現されなかったものの歴史上に登場する包括的な知識、普遍性への夢はアウリティのみならず、数多くのアーティスト、研究者、科学者が共通に抱いてきたものでもある。ジオーニは、現在の情報環境においても、あらゆる知識を包括するシステムの存在は待望されている一方で、同時に絶望的でもあると述べる。しかし、同ビエンナーレでは現代美術のみならず、歴史的な芸術品やファウンド・オブジェクトを組み合わせて、アウリティらが抱いたような、自己と宇宙、個人的なものと共同的なもの、個別的なものと一般的なものなどの一致といった想像力の飛躍について探究していく。また、ジオーニはハンス・ベルティングの「イメージ人類学」や、ヴェネツィアの哲学者ジュリオ・カミッロが考案した「記憶の劇場」などに触発されつつ、想像力の寓話が収められた私たちのイメージの世界の地図作製を目指す。
なお、同ビエンナーレの日程は2013年6月1日から11月24日(プレビューは5月29, 30, 31日)。現在、各国代表アーティストやコミッショナーの発表が続き、今回はクウェート、コートジボワール、コソボ、バハマ、パラグアイ、バーレーン、モルディブの8カ国が初参加となる。

ヴェネツィア・ビエンナーレ:http://www.labiennale.org/

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