やなぎみわ演劇プロジェクト『1924』


画像提供:やなぎみわ

やなぎみわによる演劇の三部作『1924』が2011年夏より始まる。

やなぎは作品制作を始めた最初期に、案内嬢を使ったパフォーマンスを行ない、その後の写真や映像作品にも演劇的要素が見られていた。近年、その演劇志向をより強くし、自ら脚本と演出を演劇作品として手がけたのが、2010年11月に「フェスティバル/トーキョー10」の関連プログラムとして開催されたメイドカフェ「カフェ・ロッテンマイヤー」内で上演された同名の作品である。今回の三部作はそれに続いて2作目、あるいは、正式には演劇作品として発表されていないが、2010年3月に京都芸術センターで開催された「桜守の茶会」を入れると3作目となる。

新興芸術の揺籃期を描く新作『1924』は、関東大震災の翌年、日本復興のさなかに生まれた日本初の小劇場「築地小劇場」、演出家の土方与志、美術家の村山知義らを題材とし、やなぎみわの作品にしばしば登場する「案内嬢」を狂言回しとして展開する。

第1部『1924 Tokyo–Berlin』は、は2011年7月29日–31日、京都国立近代美術館で開催される『視覚の実験室 モホイ=ナジ/イン・モーション』展の会場内という実験的な舞台で上演される。第2部『1924 海戦』は2011年11月1日–6日に神奈川県芸術劇場(KAAT)で「ヨコハマトリエンナーレ2011」関連企画として開催。第3部『1924 人間機械』(仮)は、上演場所は未定だが、2012年5月頃の公演を予定している。

「偉大な明治と激動の昭和の間にあって、大正期・1920年代は未分化で多彩な才能が花開きました。その中から近代的な合理主義・科学主義への批判が芽生え、それは初めての近代戦争に勝利しながら関東大震災に見舞われた東京と、第一次世界大戦の敗戦国ドイツで鮮明な形をとっていきます。この20年代を再検討し作品化することは、今日の私たちにとって、新しい認識を行うことの助けになると信じています」(やなぎみわ)

チケットの予約・販売については近日発表される。

やなぎみわ
http://www.yanagimiwa.net/

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