第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014、参加アーティスト

今秋9月6日より、福岡アジア美術館を中心に「未来世界のパノラマ―ほころぶ時代のなかへ」というテーマの下、第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014(FT5)が開催される。キュレーターは黒田雷児(福岡アジア美術館学芸課長)。

福岡アジア美術トリエンナーレは、福岡市美術館が1980年より開催してきたアジア現代美術展を前身に、99年の福岡アジア美術館開館記念展として、展示、美術交流の二部門を柱に始まる。以来、福岡アジア美術館の継続的な調査研究や交流事業の成果と蓄積を生かして、アジア21か国・地域の美術の新傾向を紹介する展覧会として知られている。これまでにもウォン・ホイチョン、リクリット・ティラヴァニ、ヤン・フードン、ツァオ・フェイ、シャジア・シカンダー、ナウィン・ラワンチャイクン、ホァン・ヨンピン、蔡國強、チゥ・ジージェ、キム・スージャなどが参加している。また、同地域において、自国外での発表経験の乏しいアーティストが国外で作品を発表する貴重な機会としても定着している。

今回のテーマは「未来世界のパノラマ―ほころぶ時代のなかへ」。私たちの認識やテクノロジー、環境などの大きな変化によって時代が進化論的な飛躍をともなって成長するような萌芽が潜む世界において、現実から受ける圧力や限界、あるいはユートピアのような心地よい虚像のなかで思考停止することなく、それらの矛盾やほころびを察知し、新しい世界像へと変換するような、複眼的につながり、逸脱し、果てしなく拡張していく未来世界のパノラマ的想像力を展開する。

参加アーティストは、ヴェネツィア・ビエンナーレ参加経験を持つユェン・グァンミンやチェ・ジョンファ、コビール・アフメッド・マスム・チスティーや、2012年に韓国美術家賞を受賞し、ドクメンタ13にも参加しているムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ、福岡滞在時に初の長編映像作品『はし』(2008)を監督し、東京国際映画祭で『燃え上がる木の記憶』(2010)を上映した経験を持つシャーマン・オン、先の恵比寿映像祭や山形国際ドキュメンタリー映画祭での上映経験を持つチュラヤーンノン・シリポンなど。国内からは、福岡を拠点に釜山と福岡のアーティスト交流を活発化するために活動するWATAGATA福岡釜山アートネットワーク、同じく福岡を拠点に活動するクリエイティブ・ラボ「あのラボ」、イラストレーター、絵本作家として活動するよしながこうたくが参加する。

なお、福岡アジア美術館ではこれまで4回開催した同芸術祭の歩みを前後期に分けて紹介する『カウントダウン、FT5! ――福岡トリエンナーレってなに?』を開催している。

第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014
2014年9月6日(土)-11月30日(日)
http://fukuokatriennale.ajibi.jp/

『カウントダウン、FT5! ――福岡トリエンナーレってなに?』
前期:2014年4月3日(木)-6月3日(火)
後期:2014年6月5日(木)-8月19日(火)
福岡アジア美術館 アジアギャラリーA
http://faam.city.fukuoka.lg.jp/

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