「ミヒャエル ボレマンス:アドバンテージ」
2014年1月11日(土) - 3月30日(日)
原美術館 (東京都品川区)
ベルギーを代表する現代美術作家、ミヒャエル ボレマンスの日本の美術館における初個展。不透明な現代社会を生きる人間の宿命を描きだす絵画36点に、映像作品2点を加えた38点により構成。
すでに「ミヒャエル ボレマンス:アドバンテージ」展をご覧になられた方へ
ドキュメンタリー「A Knife in the Eye」観賞のために再来館なさる場合は、展覧会チケットの半券をご提示いただくと、上映日のみ入館料が100円割引となります[2014年2月12日より]
「Mombakkes II」 2007年、36 x 30 cm、カンヴァスに油彩 ⒸMichaël Borremans Courtesy Zeno X Gallery Antwerp Photo by Peter Cox 個人蔵
「Magnolias- (I)」 2012年、 140 x 120 cm、カンヴァスに油彩 ⒸMichaël Borremans Courtesy Zeno X Gallery Antwerp Photo by Peter Cox 個人蔵
ベルギーのゲントを拠点に活動するボレマンスは、30代に入った1990年代半ば、それまでの写真による表現から絵画へと転向し、急速に評価の高まった作家です。ディエゴ ベラスケスやエドワール マネなど近世・近代絵画の描写に倣い、自国のシュルレアリスムの遺伝子も受け継ぐと評されるボレマンス。彼の絵画には、静けさの中に微かに謎めいた気配が漂い、観る者を深い思索へと誘います。時間的・空間的に現実から隔離され、自身の儀式や作業にただただ勤しむ人々を通し、複雑で不透明な現代社会に生きる人間を、人間の宿命のようなものをボレマンスは描き出します。
ボレマンスは、作品と厳しく向き合うため、制作数に比して、自身が完成作と認め世に出す作品数が圧倒的に少ないことが知られています。本展は、そのような作家が自身で選んだ作品38点を展示する稀有な機会となります。また、近年制作を始めた映像作品(2点)も紹介する予定です。
【開催要項】
展覧会名 「ミヒャエル ボレマンス:アドバンテージ」
(英題 Michaël Borremans: The Advantage)
会期 2014年1月11日(土) - 3月30日(日)
主催 会場 原美術館
助成 Flemish authorities
協賛 CoSTUME NATIONAL
協力 ギャラリー小柳、Zeno X Gallery
開館時間 11:00 am-5:00 pm (水曜は8:00 pmまで/入館は閉館時刻の30分前まで)
休館日 月曜日(祝日にあたる1月13日は開館)、1月14日
入館料 一般1,000円、大高生700円、小中生500円/原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料/20名以上の団体は1人100円引
交通案内 JR・京浜急行「品川駅」高輪口より徒歩15分/都営バス「反96」系統「御殿山」停留所下車、徒歩3分/京浜急行「北品川駅」より徒歩8分
原美術館 東京都品川区北品川4-7-25
Tel 03-3445-0651
Eメール info@haramuseum.or.jp
公式サイト http://www.haramuseum.or.jp
携帯サイト http://mobile.haramuseum.or.jp
ブログ https://www.art-it.asia/u/HaraMuseum
ツイッター http://twitter.com/haramuseum
【関連イベント】
Meet the Artist: ミヒャエル ボレマンス × 清水穣(美術評論家)
日時:2014年1月11日(土) 2:00-3:30 pm
場所:原美術館 ザ・ホール
参加費:無料(要入館料) 定員: 80名
申込方法: Eメールにてお申し込みください(先着順)。申込み開始日:2013年12月1日(日)※受付終了(2013/12/20追記)
表題に[ボレマンス対談申込]、本文に氏名、ご連絡先電話番号を明記し、event@haramuseum.or.jpまでお送り下さい。
ドキュメンタリー映像 「A Knife in the Eye」(和英字幕付/53分)
日時:火、木、金 4:00- (2月28日、3月21日、25日、27日を除く)
水 5:00- 6:00- 7:00-
場所:原美術館 ザ・ホール
協力:VRT-Canvas
参加費:無料(要入館料)
定員:各回50名
*事前の申込は必要ありません。直接会場へお越しください。
*上映日が増えました。[2月28日追記]
当館学芸員によるギャラリーガイドを日曜・祝日2:30 pmより30分程度行ないます。
他のイベント開催決定の折には、ウェブサイトで発表します。
【関連情報】
ミヒャエル・ボレマンス展
会期:2014年1月11日(土)-3月1日(土)
会場:ギャラリー小柳 東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル8F TEL: 03-3561-1896
http://www.gallerykoyanagi.com
ミヒャエル・ボレマンス展
会期:2014年2月20日(木)-25日(火)
会場:臨済宗 建仁寺塔頭 両足院
企画:京都造形芸術大学
お問合せ:京都造形芸術大学 企画室 TEL: 075-791-9360
http://kuad-entrance.com
「The Racer」 2012年、 50 x 40 cm、カンヴァスに油彩 ⒸMichaël Borremans
Courtesy Zeno X Gallery Antwerp Photo by Peter Cox 個人蔵
【展覧会について】
ミヒャエル ボレマンス(1963-)は、かつて原美術館を訪れた際、当館の建築の歴史と佇まいに胸を打たれ、以来、この場所で個展を開くという想いを温めてきました。かつて原家の住まいとして家族が憩い、大戦を乗り越え、今は美術館として静かに生き続ける建築。彼はそこに自身の作品に似た時空を認めたようです。
現在、ベルギーのゲントを拠点に活動するボレマンスは、30歳を超えた1990年代半ば、それまでの写真による表現から絵画へと転向し、急速に評価が高まりました。近世・近代絵画の描写に倣い、自国のシュルレアリスムの遺伝子も受け継ぐ彼の絵画。そこには穏やかな静けさと不穏な気配が同居し、観る者を深い思索へと誘います。主たるモチーフである人物は、いずれも時間的・空間的に現実から隔離され、自身の儀式や作業にただただ勤しんでいます。
「彼らが実際に誰であるか、何をしているかに特別な意味はありません。これらはもっと普遍的、象徴的なメタファーなのです。(中略)どれも特定の個人の肖像としてではなく、一般的な“人間”です」*1
多くの場合、描かれたイメージは理論化されることを巧妙に避けており、解釈は困難です。ただひとつ言えることは、ボレマンスが、絵画史を踏まえた描写法を用い、時に古い写真を引用することで時代性を感じさせつつ、時に顔の特徴を捉えることで人物の個性を残しながら、それでもなお普遍的な存在としての人間を、人間であることの宿命のようなものを描き出しているということ。それは、現代の日本において多くの人々が抱える生き難さを映す鏡となり、国境を越えて感受され得るものでしょう。
作品と厳しく向き合うボレマンスは、制作数に比して、自身が完成作と認め世に出す作品数が多くはありません。本展は、そのような作家が自身で選んだ作品30点余りを展示する稀有な機会となります。
「(作品は)私の心を動かすような、私を傷つけるようなものでなければなりません。まさに“目にナイフ”ですね」*2
*1. 「Art iT」作家インタビューより。http://www.art-it.jp/interview14.php
*2. Michaël Borremans – A Knife in the Eye, VRT CULTUUR voor CANVAS, 2009.
【展覧会の見どころ】
・ベルギーを代表する現代美術作家、ミヒャエル ボレマンスの日本の美術館における初個展
・完成作の少ないボレマンスの作品を30点余り展示
・“映像的な”絵画で人間の宿命を描き出す絵画
・近年制作を始めた“絵画的な”映像作品も展示予定
【ミヒャエル ボレマンス略歴】
1963年、ベルギー、ヘラールツベルヘン生まれ。ゲント在住。
90年代半ばより、写真による表現から油彩へと転向。以来、国内外の先鋭的な美術館やアートスペースで個展を開催、ベルリン ビエンナーレ(2005)等国際展にも参加している。近年、絵画と連動する映像も手掛け、さらに謎めいた世界を創り上げている。2010年夏には、ベルギー王妃の依頼を受け、王宮に展示するための作品を制作、一般公開された。日本では、個展「Earthlight Room」を開催(ギャラリー小柳、2008)、横浜トリエンナーレ(2011)にも出品している。また、国立国際美術館に絵画が2点収蔵されている。パレ デ ボザール(ブリュッセル)にて個展開催予定[2014年2月22日(土)- 8月3日(日)]。
【ミヒャエル ボレマンスの絵画の特徴】
・ボレマンスの作品は具象画であるため、一見、わかりやすい絵画のようでありながら、イメージは巧妙に理論化を避け、謎めいている。観る者に解釈が委ねられた、意味の開かれた作品である。
・カンヴァスサイズが5号程度の小品が多い。同じモチーフで複数枚描かれることもあり、制作数は少なくないが、完成作として世に出す数は限られている。
・カンヴァスの下地には、白ではなくベージュ等を使う。地色を活かすため油絵具は薄塗りである。
・今回は未出品だが、日記的な要素のある素描も魅力的である。まっさらな白い紙ではなく、捨てられた紙に偶然付着したシミや汚れを活かして加筆していく手法をとっている。
「Automat(3)」 2008年、 24.4 x 18 cm、板に油彩 ⒸMichaël Borremans
Courtesy Zeno X Gallery Antwerp and Gallery Koyanagi Tokyo 国立国際美術館蔵
*本展カタログをザ・ミュージアムショップで販売しております。
(カラー図版39点/美術評論家・清水穣、ジェフリーグローヴによる解説掲載/日英/ハードカバー、カラー108ページ/サイズ 150×210mm/2,940円)
記者会見とオープニングレセプションのリポートはこちらへ、
対談のリポートはこちらへ。
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「森村泰昌 レンブラントの部屋、再び」
2013年10月12日[土]-12月23日[月・祝]
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