ジャッド|マーファ展 @ ワタリウム美術館

ドナルド・ジャッド、マンサナ・デ・チナティの中庭にて、自作《デイヴ・シャックマンに》(1964年)と共に 1975年撮影 Photo Jamie Dearing © Judd Foundation. Jamie Dearing Papers, Judd Foundation Archives, Marfa, Texas. Donald Judd Art © 2026 Judd Foundation/ARS, NY/JASPAR, Tokyo.

 

ジャッド|マーファ展
2026年2月15日(日)-6月7日(日)
ワタリウム美術館
http://www.watarium.co.jp/
開館時間:11:00–19:00
休館日:月(ただし、2/23、5/4は開館)
展覧会URL:http://www.watarium.co.jp/jp/exhibition/202602/

 

ワタリウム美術館では、メキシコにほど近いテキサス州マーファを重要な軸に、ドナルド・ジャッドの実践を辿る展覧会「ジャッド|マーファ展」を開催する。ジャッドが1970年代にニューヨークを離れマーファへ移り住んだ後、建物を生活と制作の場として作り変え、自身の作品に加え、ダン・フレイヴィン、ジョン・チェンバレン、イリヤ・カバコフらの作品を恒久的に展示するスペースを構想し、チナティ財団を設立するまでの歩みに光を当てる。

ドナルド・ジャッド(1928–1994/アメリカ合衆国ミズーリ州生まれ)は、コロンビア大学で哲学と美術史を学び、アート・ステューデント・リーグで絵画を学んだ。1959年から1965年にかけては美術評論家としても活動し、時には月に10以上のレビューを執筆していた。1960年代前半までは絵画を中心に制作していたが、その後は三次元の作品へと展開し、アートの概念そのものに変化を与えていった。生涯を通して、ジャッドはアートと芸術表現の重要性を訴え続けるとともに、土地保全、経験的知識、積極的な市民参加の意義についても幅広く論じた。約40年にわたりアメリカ、ヨーロッパ、アジア各地で作品を発表し、世界各地の美術館に作品が収蔵されている。主な展覧会に、ホイットニー美術館(ニューヨーク、1968/1988)、カナダ国立美術館(オタワ、1975)、ヴァン・アッベ美術館(アイントホーフェン、1970)、テート・モダン(ロンドン、2004)、ニューヨーク近代美術館(ニューヨーク、2020)などがある。

 

15点の無題の作品 1980–1984年コンクリート チナティ財団、テキサス州マーファ Permanent collection, The Chinati Foundation, Marfa, Texas. Photo by Florian Holzherr, courtesy The Chinati Foundation. Donald Judd Art © 2026 Judd Foundation/ARS, NY/JASPAR, Tokyo.
無題 1955年 キャンバスに油彩 ジャッド財団蔵 Donald Judd Art © 2026 Judd Foundation/ARS,NY/JASPAR, Tokyo.

 

ジャッドは恒久展示(パーマネント・インスタレーション)というアイデアを重視し、ニューヨークの鋳鉄造のビルを皮切りに、1973年からマーファで土地を購入しはじめ、1994年に亡くなるまで、自身を含む作家の作品の恒久的な設置を続けた。1977年にはジャッド財団の構想を固め、のちにジャッドの作品、空間、書斎、アーカイブを保存し、作品設置の基準として設立された。1986年には自身および同世代の作家の大規模作品の恒久展示に加え、アーティスト・レジデンスや長期間の展覧会の開催を目的として、チナティ財団を設立した。

こうした活動を背景に、本展では1950年代に制作された初期の絵画作品、1960年から1990年代までの立体作品に加え、ジャッドがマーファに残した空間について、ドローイング、図面、映像、資料を通して紹介する。これらの作品や資料を通して、展示を「その場限りのパフォーマンスにしてはならない」という、アートと展示が持つ完全性に対するジャッドの信念を示す内容となる。また、ワタリウム美術館の創設者、和多利志津子が1978年にジャッドを日本に招聘し開催した「ジャッド展」(1978年2月22日-3月22日)のドキュメントのコーナー展示も設けられる。

会期初日には、2部構成のシンポジウム「JUDDを考える」が開催される。ジャッドの作品や、デザイン、建築などについて、さまざまな専門家が登壇し語り合う。詳細はワタリウム美術館ウェブサイトを参照。

 

関連イベント
シンポジウム「JUDDを考える」
2026年2月15日(日)
第1部 13:00–15:00
出演:建畠晢(美術評論家)、蔵屋美香(横浜美術館長)、フレイヴィン・ジャッド(ジャッド財団共同代表)
第2部 15:30–17:30
出演:佐藤可士和(クリエイティブディレクター)、青木淳(建築家)、中原慎一郎(コンランショップ・ジャパンCDO)
会場:建築家会館 本館ホール(ワタリウム美術館より、徒歩5分)※予約制

 

ウェルフェア・アイランド 1956年 キャンバスに油彩 ジャッド財団蔵 Donald Judd Art © 2026 Judd Foundation/ARS, NY/JASPAR, Tokyo.
無題 1991 年 陽極処理したアルミニウム、黄色に透明な琥珀色のプレキシグラス ジャッド財団蔵 Donald Judd Art © 2026 Judd Foundation/ARS, NY/JASPAR, Tokyo.

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