保良雄 個展「TOTEM ORGA(H)/トーテムオルガ」
2026年2⽉13⽇(金)-2⽉15⽇(日)、20日(金)-22日(日)計6日間
港北水再生センター(神奈川県横浜市港北区大倉山7-40-1)
観覧料:600円(事前申込のツアー形式)
主催:BankART1929
展覧会URL:https://bankart1929.com/yasuratakeshi/
2004年の設立以来、横浜市の創造都市構想のもとでオルタナティブスペースを運営してきたBankART1929は、2024年度の施設運営契約終了後、新たな姿勢を示す自主事業の第一弾として、保良雄の個展「TOTEM ORGA(H)/トーテムオルガ」を港北水再生センターで開催する。
保良雄(1984年滋賀県生まれ)は、人間を含む生物と無生物を等しく「存在」として捉えることを制作の主題に据える。作品制作の一環として農業や養蜂に携わりながら、アートの媒介者としての実践を継続してきた。手仕事から最新テクノロジーの活用まで幅広い手法を用い、エコロジーの語りに潜むヒエラルキーや格差への批判を作品に織り込む。先天性障がいをもつ自身の立場から存在論と向き合い、理論だけでは捉えきれない人間社会におけるモノとの関係性を探究している。2018年にはポートランドのアーティスト・イン・レジデンス「END OF SUMMER」に参加。主な展覧会に、The 36th Ljubljana Biennale of Graphic Arts(スロベニア、2025)、「エコロジー:循環をめぐるダイアローグ つかの間の停泊者」(銀座メゾンエルメス ル・フォーラム、東京、2024)、「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために――環境危機に現代アートはどう向き合うのか?」(森美術館、東京、2023–2024)などがある。また、2024年には山武市百年後芸術祭においてディレクターを担当した。
エベレスト・ベースキャンプにおける氷河リサーチ Support:Goldwin Field Research Lab © Yuto Kamisawa
保良雄《おりおりる》 © Aki Itagaki
本展は、現代社会における「トーテミズム」を手がかりに、人間と自然、都市インフラといった人工物が、同一の循環するレイヤー上で交差する場を提示する。トーテムとは本来、部族や親族集団が自らの起源や紐帯の象徴として仰ぐ動植物や自然物、紋章を指し、特定の存在を媒介に社会の構成要素の結合と区別を組織する宗教的、人類学的、社会学的テーマとして知られている。本展ではそのフレームを継承しつつ、特定の動植物や紋章ではなく、汚泥、再生水、微生物、骨材といった都市生命体の内奥部で脈打つ諸要素の関係性に焦点を当てる。こうした諸要素を、人間中心の社会構造に従属する要素としてではなく、人間と自然の関係性を社会的に処理し構成する「現代のトーテム」として位置づけ、既存の諸存在の在り方そのものを問い直す。
港北水再生センター Photo: Akihiro Itagaki (Nacasa & Partners)
港北水再生センター 中央ポンプ室 Photo: Akihiro Itagaki (Nacasa & Partners)