田中功起《可傷的な歴史(ロードムービー)》2018年 ビデオ・インスタレーション サイズ可変 個人蔵
横浜美術館リニューアルオープン記念展
「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」
2025年12月6日(土)–2026年3月22日(日)
横浜美術館
https://yokohama.art.museum/
開館時間:10:00–18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:木、12/29-1/3
展覧会URL:https://yokohama.art.museum/exhibition/202512_jkart1945/
横浜美術館では、リニューアルオープン記念展の締めくくりとして、1965年の日韓国交正常化から60年の節目にあわせ、韓国の国立現代美術館との共同企画展「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」を開催する。本展は横浜での開催に続き、2026年5月に韓国の国立現代美術館果川でも開幕する。
会場には、日韓両国から50組を超える作家による約160点の作品が集まる。韓国の国立現代美術館の所蔵品19点に加え、日本初公開の作品や本展のための新作も展示される。
富山妙子《光州のピエタ》1980年 スクリーンプリント 49.8×63.7cm 横浜美術館蔵(坂田棗氏寄贈)
曺良奎《マンホールB》1958年 油彩、カンヴァス 130×97.3cm 宮城県美術館蔵
第1章「はざまに―在日コリアンの視点」では、1945年の日本敗戦による朝鮮半島の解放から、朝鮮戦争を経て南北に分断され、1965年の日韓国交正常化に至るまでの約20年間を辿る。日本と朝鮮半島の「はざま」にいた在日コリアンを軸に、この時代をテーマとした2010年代以降の日韓両国の作品も展示し、現在の視点から、国交の「空白期」を振り返る。続く第2章「ナムジュン・パイクと日本のアーティスト」では、世界的なビデオ・アーティストとして知られるナムジュン・パイク(白南準)に焦点を当て、日韓国交正常化前後の時期を中心に、日本美術界と特異なかたちで関わったその動向と、日韓のアーティストたちのつながりを紹介する。日韓国交正常化以降の動きを取り上げる第3章「ひろがった道 日韓国交正常化以後」では、とくに1960年代後半から1980年代にかけて、両国の同時代美術がどのように相互に紹介されたのかを辿りながら、日韓のアート界がいかに刺激し合ってきたかを探る。
第4章「あたらしい世代、あたらしい関係」では、1990年に韓国政府の国費留学生として弘益大学に留学した中村政人を起点に、1992年のソウルでの「中村と村上展」や同時期に活動を始めたイ・ブルの作品を通じて、新しい世代が、新たなアイデアとメディアを用いて登場した時代を描き出す。第5章「ともに生きる」では、1987年の民主化運動を背景に軍事独裁政権の終焉とそれに連帯した韓国国内外の作家たちの実践を取り上げる。社会問題を可視化し、現在と未来において「ともに生きる」ための手がかりを、作品を通じて提示する。
百瀬文×イム・フンスン《交換日記》2015-18年 ビデオ 64分 個人蔵
朴栖甫《遺伝質1-68》1968年 油彩、カンヴァス 79.8×79cm 国立現代美術館蔵 ©PARKSEOBO FOUNDATION
関連イベント
スクリーニング&アーティスト・トーク
①百瀬文×イム・フンスン《交換日記》(上映時間約90分)※既に終了
2025年12月6日(土)14:00–16:30 ※日韓逐次通訳付き
登壇者:百瀬文、イム・フンスン、日比野民蓉(横浜美術館主任学芸員)
②ナム・ファヨン《イムジン河》《Against Waves》(上映時間約40分)
2025年12月20日(土)14:00–16:00 ※日韓逐次通訳付き
登壇者:ナム・ファヨン、馬定延(関西大学教授、国立国際美術館客員研究員)
会場:横浜美術館レクチャーホール
③田中功起《可傷的な歴史(ロードムービー)》(上映時間約80分)
2026年の会期中に実施予定
会場:横浜美術館レクチャーホール
登壇者:田中功起、ほか
シンポジウム
2026年の会期中に実施予定
灰原千晶、李晶玉《区画壁を跨ぐ橋のドローイング》2015年 デジタルプリント、色鉛筆 21×29.7cm 個人蔵
安齊重男《1970年代美術記録写真集 「ナムジュン・パイク 1978年5月 草月会館」》 1978年 写真 27.9×35.6cm 東京都現代美術館蔵 ©Estate of Shigeo Anzaï, Courtesy of Zeit-Foto
中村政人《トコヤマーク/ソウル》1992年 韓国製床屋マーク、鉄他 161×φ130cm 個人蔵
