マリーナ・タバサム・アーキテクツ展：People Place Poiesis @ TOTOギャラリー・間 - おすすめ展覧会

マリーナ・タバサム・アーキテクツ《クディ・バリ》（バングラデシュ各地、2020年－）© Asif Salman

マリーナ・タバサム・アーキテクツ展：People Place Poiesis
2025年11月21日（金）–2026年2月15日（日）
TOTOギャラリー・間
https://jp.toto.com/gallerma/
開館時間：11:00–18:00
休館日：月、祝（ただし、11/23は開館）、年末年始（12/29–1/7）
展覧会URL：https://jp.toto.com/gallerma/ex251121/index.htm

TOTOギャラリー・間では、バングラデシュ出身で、気候や文化、伝統に根差した建築を手がけるだけでなく、自然災害や貧困等で苦しむ人々への支援に取り組む建築家、マリーナ・タバサムの個展「マリーナ・タバサム・アーキテクツ展：People Place Poiesis（ピープルプレイスポイエーシス）」を開催する。

マリーナ・タバサム（1969年生まれ）は、自身の建築設計事務所「マリーナ・タバサム・アーキテクツ（Marina Tabassum Architects, MTA）」を2005年にダッカに設立。教育者として、オランダ・デルフト工科大学で教授を務めるほか、イェール大学建築学部、ハーバード大学デザイン大学院、ベンガル・インスティテュートなどで教鞭を執る。ミュンヘン工科大学より名誉博士号を受け、これまでにアガ・カーン建築賞をはじめ、ジャミール賞、アメリカ芸術文学アカデミーによるアーノルド・ブルンナー記念賞、フランス建築アカデミーの金賞、イギリスのソーン建築賞など、輝かしい受賞歴を誇る。建築と地域の公平性を支援する団体「F.A.C.E（Foundation for Architecture and Community Equity）」およびフェアトレード団体「Prokritee」の代表を務め、2017年から2022年まで、アガ・カーン建築賞の運営委員を歴任。英国王立芸術協会（RSA）フェローも受賞している。

マリーナ・タバサム・アーキテクツ、クディ・バリ建設の地域住民参画の様子 © Asif Salman”

マリーナ・タバサム・アーキテクツ《バイト・ウル・ロゥフ・モスク》（ダッカ、2012年）© Asif Salman

マリーナ・タバサム・アーキテクツ《アルファダンガ・モスク》（ファリドプル、バングラデシュ、2022年）© Asif Salman

MTAを率いるタバサムの代表的なプロジェクトのひとつ、「バイト・ウル・ロゥフ・モスク」（ダッカ、2020）は、地域の土を焼成したレンガと幾何学を用いて、静謐な光をたたえ風が通り抜ける祈りの空間を創出し、爆発的な拡大を続ける過密都市において多様な人々が集う寛容な建築を実現。国全体の約7％が河川に覆われ、洪水で国土の約1/3が水没することもあるバングラデシュにおいて、住む場所を失った人のためにMTAが考案した可動式の住宅「クディ・バリ」（現地語で「小さな家」の意味）は、地域の人々の手により短期間で組み立て・解体することができ、洪水発生時のシェルターとしても機能する。また、MTAが立ち上げた財団F.A.C.E（The Foundation for Architecture and Community Equity）は、国内各地でクディ・バリを提供するだけでなく、ユニットを組み合わせることで、ロヒンギャの難民キャンプにおけるコミュニティセンターなど幅広い用途の建物に応用している。

本展では、「人々」「土地」、そして創作や詩作を意味する「ポイエーシス」をテーマに、タバサムたちの作品と活動を、模型や映像、インスタレーションなどを通じて紹介。中庭にはMTAオリジナルの「クディ・バリ」をバングラデシュから輸送し立ち上げるとともに、京都の里山で実践を行なう建築家の森田一弥と京都府立大学森田研究室協力の下、日本の素材と技術で翻案した「日本版クディ・バリ」を新たに制作し、展示する。

関連イベント
マリーナ・タバサム講演会「People Place Poiesis」
2025年11月21日（金）17:00-19:00予定（開場：16:00）
会場：国立新美術館3F講堂
定員：260名
料金：参加無料
参加方法：事前申込制、TOTOギャラリー・間ウェブサイトより申込
申込期間：2025年9月10日（水）－11月9日（日）※応募者多数の場合、抽選の上、11月14日（金）までに結果を連絡
※未就学児不可
https://jp.toto.com/gallerma/ex251121/sympsm.htm