》1964年 福岡県立美術館蔵.jpg)
コレクション展「菊畑茂久馬展」
2025年9月2日(火)-11月3日(月・祝)
福岡市美術館 2階 近現代美術室B
https://www.fukuoka-art-museum.jp/
開館時間:9:30–17:30(9月、10月の金、土は9:30–20:00)入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、9/15、10/13、11/3は開館)、9/16、10/14、11/4
展覧会担当:花田珠可子(福岡市美術館学芸員)
展覧会URL:https://www.fukuoka-art-museum.jp/collection/?q=modern#a183303
福岡市美術館では、九州を代表する作家、菊畑茂久馬作品を紹介するコレクション展「菊畑茂久馬展」を開催する。本展は、菊畑茂久馬没後5周年を記念し、全国の美術館が所蔵する菊畑作品を各館主催の展覧会の中で展示し、その情報を横断的につないで発信するプロジェクト「LINKS-菊畑茂久馬」のひとつとなる。
菊畑茂久馬(1935-2020/長崎県生まれ)は、絵画を独学で始め、1957年結成の前衛グループ「九州派」の主要メンバーとして活動。1960年代の「反芸術」の動向を代表する若手作家のひとりとして注目された。炭鉱画家の山本作兵衛の作品研究や、太平洋戦争記録画に関する論考の発表、国内の公共空間における作品制作や監修など画家という枠に収まらない活動を展開し、沈黙期としての1960年代後半を経て、その後も精力的な活動を続けた。2011年には大規模な回顧展「菊畑茂久馬回顧展 戦後/絵画」が、福岡市美術館と長崎県美術館で同時に開催され、《ルーレット》《天動説》といった代表作のみならず、オブジェ、版画を展示。さらには《天動説》以後の絵画シリーズの集大成となる《春風》など、320点余りの作品が紹介された。そのほか、近年の主な展覧会に、釜山ビエンナーレ(2016)、個展「菊畑茂久馬と〈物〉語るオブジェ」(福岡県立美術館、2007-2008)、個展「菊畑茂久馬 ドローイング」(長崎県美術館、2009-2010)などがある。

本展では、福岡市美術館が所蔵する《天動説》に至るまでの版画と絵画作品に加え、〈ルーレット〉シリーズを公開する。《ルーレットNo.1》は、材木を張り合わせた支持体にルーレットの形を彫り込み、その上に廃材を貼り付けた構成が特徴で、モチーフと素材の双方に通俗性と生活感が漂う。福岡県立美術館が所蔵する《ルーレット(ターゲット)》は、1965年にニューヨーク近代美術館を含む米国内8会場を巡回した「新しい日本の絵画と彫刻(The New Japanese Painting and Sculpture)」展に出品され、国際デビューとなった作品。そのほか、2023年度に収蔵された山本作兵衛の作品も1点、あわせて展示される。菊畑作品が展示されている全国の展覧会は、「LINKS-菊畑茂久馬」を参照。