総合開館30周年記念「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」@ 東京都写真美術館


ルイジ・ギッリ《ボローニャ、1989-90》〈ジョルジョ・モランディのアトリエ〉より 1989-90年 東京都写真美術館蔵 ©Heirs of Luigi Ghirri

 

総合開館30周年記念
ルイジ・ギッリ 終わらない風景
2025年7月3日(木)-9月28日(日)
東京都写真美術館 2F展示室
https://topmuseum.jp/
開館時間:10:00–18:00(木、金は20:00まで、ただし8/14-9/26までの木、金は21:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:月(月曜が祝休日の場合は開館、翌平日は休館)
展覧会担当:山田裕理(東京都写真美術館学芸員)
展覧会URL:https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-5073.html

 

東京都写真美術館では、著書『写真講義』やその表紙にも使用された画家ジョルジョ・モランディのスタジオを撮影した作品などで知られるイタリアを代表する写真家ルイジ・ギッリの初期の代表作から晩年の作品まで幅広く紹介するアジア初の美術館個展「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」を開催する。

ルイジ・ギッリ(1943-1992/イタリア、レッジョ・エミリア県スカンディアーノ生まれ)は、測量技師としてのキャリアを積んだのち、コンセプチュアル・アーティストたちとの出会いをきっかけに、1970年代から本格的に写真家として活動。以来、実働約20年間にわたって、色彩、空間、光に対する類まれな美的感覚と、ありふれたものをユーモラスに視覚化する才能によって、主にカラー写真による実験的な写真表現を探求した。制作活動のみならず、写真専門の出版社「Punto e Virgola(プント・エ・ヴィルゴラ)」を妻パオラ・ボルゴンゾーニを含む仲間たちと立ち上げ、さらにはプロジェクト大学で写真理論に関する講義を行なうなど、多岐にわたる活動を展開した。主な個展に「Vera fotografia」(Palazzo della Pilotta、パルマ、1979)、「Still Life. Topographie-Iconographie」(Light Gallery、ニューヨーク、1980)、「Pensare per immagini」(イタリア国立21世紀美術館、ローマ、2013 ※他巡回)、「El mapa y el territorio」(国立ソフィア王妃芸術センター、マドリード、2019)など。2011年には第54回ヴェネツィア・ビエンナーレ「ILLUMInations」およびイタリア館展示に出品。

 


ルイジ・ギッリ《カプリ、1981》〈イタリアの風景〉より 1981年 ©Heirs of Luigi Ghirri


ルイジ・ギッリ《サッスオーロ、1975》〈F11、1/125、自然光〉より 1975年 ©Heirs of Luigi Ghirri

 

ルイジ・ギッリは、写真を現実世界の複製ではなく、フレーミングされた「見られた」視覚的断片によって風景を作り出すための手段として捉え、通り過ぎる風景の中に現実とイメージの関係性を見出し、「在」と「不在」、外的世界と内的世界について思索を深めることを試みていた。本展では、1970年代から晩年にかけてギッリが撮影したイタリアや旅先の風景、アーティストのスタジオ、自宅の室内、美術品、看板やポスター、窓や鏡に映る風景など、多様な視覚的断片によって構成された風景表現を紹介。あわせて、ギッリの活動を語るうえで欠かせない存在であり、自身もグラフィック・デザイナーとして活動した妻パオラ・ボルゴンゾーニ(1954-2011)の作品や資料も展示し、約20年にわたるギッリの写真に対する多角的な思索をたどることで、ギッリの作品を語る上でパオラの存在がいかに重要であったかを紐解く。

会期中には、ルイジ・ギッリ財団代表でルイジ作品の管理をパオラより引き継いだ娘のアデーレ・ギッリ、レッジョ・エミリア市立博物館写真部門のキュレーターでギッリの作品に関わる展覧会を多数企画してきたイラリア・カンピオーリ、本展担当者の山田裕理によるシンポジウムを開催。また、ギッリの作品に造詣が深いゲストをアフタートークに招き、ギッリの活動をまとめたドキュメンタリー映画『Infinito』の日本初公開上映を行なう。

 


ルイジ・ギッリ《ザルツブルク、1977》〈F11、1/125、自然光〉より1977年 ©Heirs of Luigi Ghirri


ルイジ・ギッリ《レッジョ・エミリア、1985》〈F11、1/125、自然光〉より 1985年 ©Heirs of Luigi Ghirri

 

関連イベント
シンポジウム
2025年7月5日(土)14:00–16:00
登壇者:アデーレ・ギッリ(ルイジ・ギッリ財団代表)、 イラリア・カンピオーリ(レッジョ・エミリア市立博物館キュレーター)、 山田裕理(東京都写真美術館 学芸員)
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名(整理番号順入場/自由席/伊日通訳付)
参加費:無料
※当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布

担当学芸員によるギャラリートーク
2025年7月11日(金)14:00–
※要当日有効本展チケット(展覧会無料対象者は各種証明書等)、2階展示室入口集合

担当学芸員によるギャラリートーク(手話通訳付き)
2025年8月1日(金)、9月5日(金)各日14:00–
※要当日有効本展チケット(展覧会無料対象者は各種証明書等)、2階展示室入口集合

ドキュメンタリー映画『Infinito』上映とゲストによるアフタートーク(上映80分+アフタートーク約50分)
①2025年7月18日(金)17:00–19:30
ゲスト:イラリア・カンピオーリ(レッジョ・エミリア市立博物館キュレーター)※伊日通訳付き
②2025年8月24日(日)14:00–16:30
ゲスト:岡田温司(京都大学名誉教授)
③2025年9月12日(金)17:00–19:30
ゲスト:森岡督行(森岡書店代表)
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名(整理番号順入場/自由席/日本語字幕付)
参加費:無料
※当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布

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