『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本 @ 板橋区立美術館


山下菊二《新ニッポン物語》1954年、日本画廊

 

『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本
2024年3月2日(土)-4月14日(日)
(前期:3/2-3/24|後期:3/26-4/14)※展示替えあり
板橋区立美術館
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/
開館時間:9:30–17:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月
展覧会URL:https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001737/4001747.html

 

板橋区立美術館では、20世紀最大の美術運動とも称されるシュルレアリスムの日本での展開を紹介する「『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本」を開催する。

シュルレアリスムは、1924年にフランスの詩人アンドレ・ブルトンが発表した『シュルレアリスム宣言』に端を発し、世界各地の芸術、思想、文化に影響を及ぼした芸術運動。日本でも1920年代には詩人たちがいち早く紹介し、絵画においてはマックス・エルンスト、イヴ・タンギー、サルバドール・ダリなどの作品図版と共に紹介され、これまでにない発想による作品が注目を集める。1932年から翌年にかけて開かれた「巴里新興美術展」、1937年の「海外超現実主義作品展」が日本各地を巡回し、シュルレアリスム絵画の存在を広めていった。

日本でシュルレアリスムを意識した作品としては、まず古賀春江東郷青児といった二科会の画家たちの間で試みられ、フランス滞在経験のある福沢一郎がエルンストのコラージュに着想を得て制作した絵画を独立展で発表。1930年代には彼らの後を追うように、若い画家や画学生もエルンストやダリの作品に影響を受けた作品を試み、靉光北脇昇らが独自の絵画を拓いたり、各地で実験的な写真作品が生まれた。しかし、1937年に勃発した日中戦争に始まる、長い戦争の時代は画家たちの自由な制作や発表の機会を奪い、シュルレアリスムは危険思想と見なされ、福沢らは逮捕された。戦場に駆り出される者、過酷な条件のもとに制作の道を模索する者、生きることの困難と向き合った彼らは、戦後、描くことを通して、人間や社会と対峙し続けていく。

 


古賀春江《鳥籠》1929年、石橋財団アーティゾン美術館


東郷⻘児《超現実派の散歩》1929年、SOMPO美術館 ©Sompo Museum of Art, 22024

 

本展は、『シュルレアリスム宣言』の発表から100年を記念して、日本各地でシュルレアリスムがどのように紹介、解釈され、展開していったのかを絵画やデッサンをはじめとする作品や美術雑誌、書籍などの資料から読み解きながら、20世紀最大の美術運動が日本の美術史に及ぼした大きな影響を概観する。また1990年に名古屋市美術館で開かれた「日本のシュールレアリズム 1925-1945」以降、靉光、瑛九山下菊二など、画家の個別研究やテーマ展により進んできた日本のシュルレアリスムに関する研究成果および最新の研究成果を交えた、その核心に迫る内容となる。

 


靉光《眼のある風景》1938年、東京国立近代美術館


北脇昇《独活》1937年、東京国立近代美術館

 

関連イベント
講演会「シュルレアリスムと日本という場所」
2024年3月9日(土)14:00–15:30
講師:速水豊(三重県立美術館館長)
会場:板橋区立美術館1階講義室
定員:60名(事前申込制)
参加料:無料
※申込は公式ウェブサイトを参照

ワークショップ「制作のお話とコラージュのワークショップ」
2024年3月16日(土)14:00–15:30
講師:ユアサエボシ(画家)
会場:板橋区立美術館1階講義室
定員:20名(事前申込制) ※既に定員に達したため申込終了
参加費:500円

対談「シュルレアリスムと東京・京都」
2024年3月23日(土)14:00–15:30
講師:伊藤佳之(福沢一郎記念館)、清水智世(京都文化博物館学芸員)
会場:板橋区立美術館1階講義室
定員:60名(事前申込制)
参加料:無料
※申込は公式ウェブサイトを参照

講演会「シュルレアリスムと池袋モンパルナス」
2024年3月30日(土)14:00–15:30
講師:弘中智子(板橋区立美術館学芸員)
会場:板橋区立美術館1階講義室
定員:60名(事前申込制)
参加料:無料
※申込は公式ウェブサイトを参照

講演会「越境するシュルレアリスムーヨーロッパと日本」
2024年4月13日(土)14:00–15:30
講師:河本真理(日本女子大学国際文化学部教授)
会場:板橋区立美術館1階講義室
定員:60名(事前申込制)
参加料:無料
※申込は公式ウェブサイトを参照

 


巡回情報
『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本 ※既に終了
2023年12月16日(土)-2024年2月4日(日)
京都文化博物館 4階展示室
https://www.bunpaku.or.jp/exhi_sogo_post/20231216-20240204/

『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本
2024年4月27日(土)-6月30日(日)
三重県立美術館
https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/

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