阿波根昌鴻 写真と抵抗、そして島の人々 @ 原爆の図 丸木美術館


阿波根昌鴻《演習地・十字架の看板を立てて訴える若者》1955年

 

阿波根昌鴻 写真と抵抗、そして島の人々
2024年2月23日(金)-5月6日(月)
原爆の図 丸木美術館
https://marukigallery.jp/
開館時間:9:00–17:00(2月は9:30-16:30)入場は閉館30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌平日 ※4/23-5/6は無休)
企画:小原真史(東京工芸大学准教授)
展覧会URL:https://marukigallery.jp/7284/

 

原爆の図 丸木美術館では、戦後、米軍に占領された伊江島で農民たちと共に非暴力の土地闘争を敢行するなど、生涯にわたり反戦平和活動を続けた阿波根昌鴻の写真家としての側面に着目した展覧会「阿波根昌鴻 写真と抵抗、そして島の人々」を開催する。

阿波根昌鴻(1901-2002/沖縄・本部村山川生まれ)は、20代で出稼ぎとしてキューバに移民し、ペルーを経て、1935年に沖縄に戻り、伊江島に移住。沖縄戦でひとり息子を失う。1955年に米軍の強制的な土地接収に反対し、島民とともに非暴力の抵抗運動を開始する。同年入手した島で唯一のカメラを米軍に抵抗する手段とした阿波根は、「乞食行進」と呼ばれる行脚や陳情を展開するなかで沖縄における「島ぐるみ闘争」の一翼を担った。1984年に「ヌチドゥタカラの家 反戦平和資料館」を開設し、1999年には財団法人わびあいの里の理事長に就任。「沖縄のガンジー」と呼ばれた阿波根は、2002年3月21日に101歳で没した。著書に『米軍と農民−沖縄県伊江島』(岩波書店、1973)、『人間の住んでいる島−写真記録 沖縄・伊江島土地闘争の記録』(自費出版、1982)、『命こそ宝 沖縄反戦の心』(岩波書店、1992)。

 


阿波根昌鴻《2人の子供》1955-67年


阿波根昌鴻《米軍の鉄条網と制札》1955年

 

阿波根は生前、唯一の写真集として『人間の住んでいる島』(1982)を出版しているが、同書に収録された闘争の写真以外にも島の人々の肖像や日常を写した写真が数多く遺している。本土で初めての展覧会となる本展では、「沖縄のガンジー」と呼ばれ、平和運動家として知られる阿波根の写真家としての側面を、3000枚以上ものネガから新たに制作したデジタルプリント約350点を通じて紹介する。

 

関連イベント
トークイベント「人間の住んでいる島」
2024年4月20日(土)14:00–
出演:比嘉豊光(写真家)× 玉城睦子(伊江村立西小学校元教頭)× 小原真史(本展キュレーター、東京工芸大学准教授)
※無料(要当日入館券)

 


阿波根昌鴻《陳情小屋前の阿波根昌鴻》1955年


阿波根昌鴻《演習で使われた1トン爆弾》1955-67年

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