美しいHUG! @ 八戸市美術館


Design:Yuuri MIKAMI

 

美しいHUG!
2023年4月29日(土)– 8月28日(月)
八戸市美術館
https://hachinohe-art-museum.jp/
開館時間:10:00–19:00 入場は閉館30分前まで
休館日:火(ただし5/2、8/1、8/15は開館)
ゲストキュレーター:森司(東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京事業部事業調整課長/東京アートポイント計画ディレクター)
ドラマトゥルク:佐藤慎也(八戸市美術館館長)
参加アーティスト:青木野枝、井川丹、川俣正、きむらとしろうじんじん、黒川岳、タノタイガ
展覧会URL:https://hachinohe-art-museum.jp/exhibition/1633/
特設WEBサイト:https://utsukushii-hug.jp/
※6月18日(日)父の日、8月9日(水)ハグの日は無料観覧デー
※会期中展示を何度でも無料で見られるフリーパス[かおパス](800円)もあり

 

八戸市美術館では、ゲストキュレーターにアーツカウンシル東京の森司を迎え、「美術館での展覧会」と「地域でのアートプロジェクト」が有機的に交わり、さまざまな立場の人が作品を通じてハグをするように出会う場を生み出すことを目指した企画「美しいHUG!」を開催している。

2021年に全面的な建て替えを経てリニューアルオープンした八戸市美術館は、「出会いと学びのアートファーム」をコンセプトに、作品のための「ホワイトキューブ」と人が活動するための「ジャイアントルーム」という、性格の異なるふたつの空間の連なりを特徴とする。本展では、ゲストキュレーターの森司が、このふたつの空間に6人のアーティストを招き、展覧会とプロジェクト、作品と人、アーティストと八戸、音楽と美術、過去と未来、見えないものと見えるものなどの、HUGするような関わり合いを生み出すことを試みる。

 


青木野枝《もどる水/八戸》2023年


井川丹《あわいの声 ー「虹の上を飛ぶ船 総集編Ⅰ・Ⅱ」との対話ー》楽譜

 

青木野枝(1958年東京都生まれ)は、鉄板から円盤形や丸の形、直線など、基本となる形に溶断したパーツをつなぎ合わせ、創作の初期から生命やその働き、生命の源である自然を循環する水の姿を表現してきた。霧島アートの森や府中市美術館での個展開催のほか、瀬戸内国際芸術祭などの芸術祭では地域の自然や歴史と調和する屋外インスタレーションなどを制作してきた。今回は、飲食可能で天井が18mと高いジャイアントルームの空間を生かし、八戸の名物である南部せんべいなどを用いた新作インスタレーション《もどる水/八戸》(2023)を展示する。
「人の声」を創作の中心に据え表現活動を行なう井川丹(1984年埼玉県生まれ)は、演奏会用作品やサウンドインスタレーションの制作をはじめ、美術家、建築家、ダンサーなどとの共同制作に取り組んでいる。近年はアートプロジェクトへの参加、市民参加型ワークショップ、こども創作教室のファシリテーションなどを通じて、音を介した表現/コミュニケーションを拡張させ、居合わせた者が多様な身の置き方のできる「場」作りを探求している。本展では、八戸市美術館収蔵作品の教育版画《虹の上をとぶ船 総集編Ⅰ・Ⅱ》を題材とし、ジャイアントルームの時間と空間を包み込む9時間の音楽を作曲。それに含まれる8曲の合唱曲は、八戸市内の小中高5校の合唱部と録音した。
川俣正(1953年北海道生まれ)は、完成までのプロセスを作品とみなすワーク・イン・プログレスの手法を基本に、公共空間に木材を張り巡らせるなどの大規模なインスタレーションを手がけてきた。その問題領域は建築や都市計画、歴史学、社会学、日常のコミュニケーション、あるいは医療にまで多岐にわたる。本展では、東日本大震災から着想を得た日本初展示の《Under the Water》(2023)をホワイトキューブの天井一面に発表する。また、マエニワから見える美術館の外壁にも作品を設置。

 


川俣正《Under the Water 八戸》2023年


きむらとしろうじんじん「八戸野点2022 in 美術館マエニワ」©️Yuji Hachiya

 

きむらとしろうじんじん(1967年新潟県生まれ)は、参加者がお茶碗に絵付けを施し、その場で焼き上げられた自分のお茶碗でお茶を楽しむ移動式陶芸お抹茶屋台「野点」を1995年から全国各地で開催。「もっともチャーミングな」服装で参加者をもてなし、路地・空き地・公園などに一期一会の風景や交流を生み出している。本展では、野点の「プロジェクト」をお茶碗や資料によって「展示」するほか、10月には野点を開催予定。
黒川岳(1994年島根県生まれ)は、物体や環境と身体との関係に着目し、捉え難いものを捉えようとする試みの中で、音や風、水、生物などさまざまな対象と自身の身体を直接関わらせながら、素材との関係性が「触れる」という感覚に置き換わるときに生まれる物のかたちや所作を彫刻やパフォーマンス・音楽などの作品で表現している。本展に先駆け、2022年秋より美術館広場に、石に開いた穴に頭を入れ、石を抱くように音を聞く作品を設置している。
タノタイガ(東京都生まれ)は、立体造形、映像、パフォーマンスなど素材にとらわれない多様な表現手法によって、社会制度やルール、法律などの記号性と媒体性を誇張した風刺的表現を行なう。本展の出品作《タノニマス》は、壁一面に並んだアーティスト自身の顔をかたどったお面に、来場者が装飾を施すことで、日々変化していく作品。同作の制作準備や会期中の運営をサポートする「タノミマス」プロジェクトも進行中。

 


黒川岳《石を聴く》2018/2023年、©️YOSUKE SUZUKI


タノタイガ《タノニマス》2007年、東京都現代美術館での展示風景(2019年)©️白井晴幸

 

関連イベント
きむらとしろうじんじん八戸野点2023 野点説明会+妄想屋台ワークショップ ※既に終了
出演:きむらとしろうじんじん
2023年5月3日(水)、5月4日(木)
各日10:00-12:00、13:00-17:00
会場:八戸市美術館
料金:無料 ※要申込(メールもしくは電話にて。詳細は公式ウェブサイトを確認)

注文の多い美術館「ホワイトキューブとストリート」 ※既に終了
出演:川俣正、芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター/さいたま国際芸術祭2023プロデューサー)、佐藤慎也、森司
2023年4月29日(土)14:00-16:00
会場:八戸市美術館
定員:30名
料金:無料 ※要申込(メールもしくは電話にて。詳細は公式ウェブサイトを確認)

注文の多い美術館「アートプロジェクトと青森」 ※既に終了
出演:きむらとしろうじんじん、熊倉純子(東京藝術大学教授/八戸市美術館運営協議会委員)、日沼禎子(女子美術大学教授/元・国際芸術センター青森学芸員)、森司
2023年4月30日(日)14:00-16:00
会場:八戸市美術館
定員:30名
料金:無料 ※要申込(メールもしくは電話にて。詳細は公式ウェブサイトを確認)

注文の多い美術館「黒川岳 アーティストトーク」
出演:黒川岳、小山田徹(アーティスト/京都市立芸術大学教授)、森司
2023年7月9日(日)14:00-15:30
会場:八戸市美術館
定員:30名
料金:無料 ※要申込(メールもしくは電話にて。詳細は公式ウェブサイトを確認)

注文の多い美術館「タノタイガ アーティストトーク」
出演:タノタイガ、佐藤慎也、森司
2023年8月20日(日)14:00-15:30
会場:八戸市美術館
定員:30名
料金:無料 ※要申込(メールもしくは電話にて。詳細は公式ウェブサイトを確認)

注文の多い美術館「井川丹 アーティストトーク」
出演:井川丹、大西健太郎(ダンサー)、田中文久(音響デザイン)、大澤苑美(八戸市美術館学芸員)、森司
2023年8月26日(土)14:00-15:30
会場:八戸市美術館
定員:30名
料金:無料 ※要申込(メールもしくは電話にて。詳細は公式ウェブサイトを確認)

注文の多い美術館「ジャイアントルームとコレクション」
出演:青木野枝、日比野克彦(アーティスト/東京藝術大学学長/八戸市美術館運営協議会会長)、藤浩志(アーティスト/秋田公立美術大学教授)、森司
2023年8月27日(日)14:00-16:00
会場:八戸市美術館
定員:30名
料金:無料 ※要申込(メールもしくは電話にて。詳細は公式ウェブサイトを確認)

HUG!ガイドツアー(学芸員による作品鑑賞ツアー)
2023年5月20日(土)、6月3日(土)、6月17日(土)、7月8日(土)、7月22日(土)、8月5日(土)
各日11:00-12:00
会場:八戸市美術館
定員:10名程度
料金:無料 ※要展覧会チケット、先着順

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