第25回中之島映像劇場「現代美術と映像_田中功起との対話」@ 国立国際美術館


田中功起《事後勉強会》2021年 Photo Courtesy of the Artist, Aoyama Meguro, Tokyo, and Vitamin Creative Space, Guangzhou

 

第25回中之島映像劇場「現代美術と映像_田中功起との対話」
2023年5月13日(土)
国立国際美術館 地下1階講堂
https://www.nmao.go.jp/
定員:100名(先着順、全席自由)※当日11:00から整理券配布(1名につき1枚)
上映会担当:馬定延(国立国際美術館 客員研究員)
上映会URL:https://www.nmao.go.jp/events/event/theater_025/

 

「美術と映像」の歴史的な変遷を探り、映像における現代の状況を考察する中之島映像劇場。25回目となる今回は、京都を拠点に国内外で活動するアーティスト、田中功起をゲストに迎え、作品の上映と対話を通じて、現代美術と映像をめぐる諸問題を検討するとともに、映像表現の軌跡に映し出され た、アーティストの芸術実践のひろがりを逆照射する。

田中功起(1975年栃木県生まれ)は、映像や写真、サイトスペシフィックなインスタレーション、介入的なプロジェクトなど、さまざまな実践を通じて、日常的行為のなかに潜む複数のコンテクストの顕在化を試みてきた。参加者に非日常的なタスクを集団的にこなすことを求め、そのありえない状況に直面している人々が無意識に示す振る舞いを記録し、小さな社会や一時的な共同体のなかに生じる、集団の力学を明らかにしようとする試みは、2013年に第55回ヴェネツィア・ビエンナーレの日本館展示でキュレーターの蔵屋美香とともに特別表彰を受け、ドイツ銀行のアーティスト・オブ・ザ・イヤー2015を受賞するなど、国際的にも高い評価を得た。近年の主な展覧会に、第34回サンパウロ・ビエンナーレ(2021)、『Anticorps』(2020)、個展『Vulnerable Histories (A Road Movie)』(アートソンジェ・センター、ソウル、2020)、あいちトリエンナーレ2019、個展『Vulnerable Histories (A Road Movie)』(ミグロス現代美術館、チューリッヒ、2018)、個展『Provisional Studies (Working Title)』(クンストハウス・グラーツ、2017)、ミュンスター彫刻プロジェクト2017、第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2017)など。

 


田中功起《抽象・家族》(劇場版)2020年 Photo Courtesy of the Artist, Aoyama Meguro, Tokyo, and Vitamin Creative Space, Guangzhou

 

本上映では、田中の近作《事後勉強会》や《抽象・家族》[劇場版]および、2000年から2016年に制作された短編映像作品を上映する。田中の映像作品は、上述した現代美術の文脈だけに限られることなく、その一部は劇場版のシングル・チャンネルに編集され、ベルリン国際映画祭(2020)、ロッテルダム国際映画祭(2019)、釜山国際映画祭(2019)などでも上映されてきた。《事後勉強会》もまた、ディルイーヤ・コンテンポラリーアート・ビエンナーレ(サウジアラビア、2021)での「展示」、ルートヴィヒ美術館(ケルン、2021)での「上映」後、2022年には京都のTheatre E9 Kyotoで「上映」された。本企画では、そのような実践を積み重ねてきた田中とともに、展示と上映という異なる鑑賞形式を横断する作品のあり方とその背後にあるアーティストの思考、オンラインで視聴可能な作品を美術館という公共の場に集まって見ることの意味など、現代美術と映像をめぐる諸問題を考えていく。同時に、初期から最新作まで約20年間の田中の歩みから、作品世界の変化のみならず、撮影と編集機材、データの容量や形式、保存媒体、製作体制にいたるまで、映像制作環境の変化にも着目する。なお、企画担当の馬定延(国立国際美術館 客員研究員)は、アートイットの連載「田中功起 質問する」のゲストとして、田中との往復書簡を執筆している。

 

上映スケジュール
2023年5月13日(土)
13:00-|《事後勉強会》(2021年/日本、サウジアラビア/カラー/48分)※冒頭、担当者による解説あり
14:10-|《抽象・家族》[劇場版](2020年/日本、シンガポール/カラー/110分)
16:15-|田中功起との対話[2000年〜2016年に制作された短編選の上映を含む]
※各プログラムの間に途中休憩あり
短編選の上映作品
《Eating the History, Reflecting the Present (Whose Victory?)》(2016 年/デジタル/4分30秒)
《一つのプロジェクト、七つの箱と行為、美術館にて》(2012年/デジタル/13分33秒)
《A painting to public (Metro Bus Line 2, Los Angeles)》(2011年/デジタル/2分32秒)
《123456》(2003年/デジタル/エンドレス・ループ)
《ムービング・スチル》(2000年/デジタル/エンドレス・ループ)

 


田中功起《A Painting to Public (Metro Bus Line 2, Los Angeles)》2011年 Photo Courtesy of the Artist, Aoyama Meguro, Tokyo, and Vitamin Creative Space, Guangzhou

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