TOKAS-Emerging 2023 @ トーキョーアーツアンドスペース本郷

 

TOKAS-Emerging 2023
第1期|2023年4月8日(土)– 5月7日(日)
第2期|2023年5月20日(土)– 6月18日(日)
トーキョーアーツアンドスペース本郷
https://www.tokyoartsandspace.jp/
開館時間:11:00–19:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月
展覧会URL:https://www.tokyoartsandspace.jp/archive/exhibition/2023/20230408-7187.html

 

トーキョーアーツアンドスペース本郷では、日本在住の35歳以下のアーティストを対象にした活動支援プログラム『TOKAS-Emerging 2023』を開催する。81組の応募から選ばれた室井悠輔、井上瑞貴、宇佐美奈緒、ちぇんしげ、大東忍、岡本大河の6名のアーティストの個展を4月から6月にかけて2会期にわたり実施する。各会期の初日には、本年度の審査員を務めたインディペンデント・キュレーターの長谷川新(第1期)、神奈川県立近代美術館主任学芸員の三本松倫代(第2期)をそれぞれゲストに迎えたアーティスト・トークを予定している。

4月8日から5月7日までを会期とする第1期は、室井悠輔、井上瑞貴、宇佐美奈緒の個展を開催。室井悠輔(1990年群馬県生まれ)は、表現とは他者への暴力性を少なからず内包する行為であると捉え、自身も表現者として纏ってしまうであろう暴力性と対峙しながら作品の制作を続けている。2019年に東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻を修了。近年の主な個展に、『Bサイ教育』(Open Letter、東京、2022)、『こどもおとなクリニック』(2x2x2 by imlabor、東京、2021)、『KEN&Peace』(HIGURE17-15cas、東京、2019)などがある。本展『ムーギンカート』では、幼少の頃に描いた絵とエピソードを現在に繋げる形で絵画・インスタレーションとして展開する。

井上瑞貴(1992年熊本県生まれ)は、個(人)が日々感じる怒り、違和感の原因ともいえる社会の差別構造や周縁と中心の関係を、絵画・映像・テキストの展示を通じて探究している。2019年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了。近年の主な展覧会に、鮫島ゆいとの二人展『Fragments of unvoiced voices』(KATSUYA SUSUKI GALLERY、東京、2022)、『転回する与太話』(アキバタマビ 21、東京、2019)などがある。本展『あなの中のかいじゅう』では、海岸沿い出身者との対話を起点に、いくつかの視点(まなざし)を導き出す。

宇佐美奈緒(1994年東京都生まれ)は、身体の物質性を表象し、特徴を変容させることができる3DCG技術を用いて作品を制作する。2020年に東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻を修了。主な展覧会に、『昌原国際彫刻ビエンナーレ 2022』(韓国、オンライン)、『Open Studios』(GlogauAIR、ベルリン、オンライン、2021)、『RAM PRACTICE 2021』(東京藝術大学元町中華街校舎、横浜)などがある。本展『I stitch my skin to the ground.』では、性暴力によって自身の身体を物体にさせられた過去をもつ人間の話をもとにしたビデオゲームを展示し、追体験のシミュレーションを行なう。

 


室井悠輔《無題 1/2》2021年 ボールペン、鉛筆、オイルパステル、コーヒー、テープ


井上瑞貴《なかで、猫は伸びをして眺める#2》2022年 エポキシ樹脂、アクリル絵具、パネル 写真:西山功一


宇佐美奈緒《I stitch my skin to the ground. 》2022年 ビデオゲーム

 

5月20日から6月18日までを会期とする第2期は、ちぇんしげ、大東忍、岡本大河の個展を開催。ちぇんしげ(1993年台湾台北生まれ)は、絵画・マンガなどを用いて情報圧縮、多言語社会などに対する記述性をテーマに創作活動を行なう。2023年に東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻を修了。主な個展に『郊外住みの,一石二鳥』(APどのう、取手、2023)、『一粒は小棚に逃込む』(NADiffa/p/a/r/t、東京、2022)、『《壽桃》壽レ桃』(ガーディアンガーデン、東京、2021)などがある。本展『玄関をDumpling(ダンプリング)するには漂流なり』では、自らが住むアパートの大家の初子さんとの関係を、実体験にもとづいた一連の記述/記録として掲示し、虚実混合を示す展示を試みる。

大東忍(1993年愛知県生まれ)は、住宅街や人口過疎地など、人間の営みや記憶がはびこる風景から「痕跡」を読み取るため、盆踊りやミュージカルを踊り、思索を重ねる。2019年に愛知県立芸術大学美術研究科博士前期課程を修了。近年の主な展覧会に『第1回 MIMOCA EYE / ミモカアイ』(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、香川、2022)、『SUMMER2022』(秋田市文化創造館)、『Diffusion of Nature -『自然』をめぐる視点-』(The 5th Floor、HB.nezu、東京、2022)など。本展『風景を踏みならす』では、秋田県の風景を舞台に身体を澄ますために踊り、風景を「踏み慣らす」ことで境界や道をつくり、「踏み鳴らす」ことで風景の声に耳を傾け鎮魂し、祝福を表現した木炭画を中心に展示する。

「人はそれぞれの言葉や時間を通して現実を捉えるが、他者の言葉や時間に触れる時、それは虚構として立ち現れる」と語る岡本大河(1994年東京都生まれ)。本展『呼子鳥』では、さまざまな言葉や時間を交差させ、編み直すことのできる映像というメディアの特性を生かし、現実と虚構(=他者の現実)の間で新たな形で現実を見つめ、また豊かに夢想する術を探る。2018年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻を卒業。主な展覧会に『スポーツと気晴らし』(東葛西1-11-6A倉庫、東京、2022)、『Experimental Film Culture Vol.3』(ポレポレ座、東京、2021)、『〜映像と斜陽』(Scool、東京、2020)など。

 


ちぇんしげ 左:《フライパンクーラーの上においてください》2022年 右: 《ロールパン食パンにはさんで食べても美味しい》2022年(ともに)麻布、紙、油彩、油性マーカー、クレヨン、鉛筆


大東忍《踊り場(秋田市楢山、December, 1963)》2022年 木炭、パネル


岡本大河《in an inn》2022年 映像

 

関連イベント
第1期 アーティスト・トーク
出演:室井悠輔、井上瑞貴、宇佐美奈緒
ゲスト:長谷川新(インディペンデント キュレーター)
2023年4月8日(土)16:30-18:00
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
料金:無料

第2期 アーティスト・トーク
出演:ちぇんしげ、大東忍、岡本大河
ゲスト(予定):三本松倫代(神奈川県立近代美術館 主任学芸員)
2023年5月20日(土)16:30-18:00
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
料金:無料

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