中﨑透 フィクション・トラベラー @ 水戸芸術館現代美術ギャラリー


 

中﨑透 フィクション・トラベラー
2022年11月5日(土)– 2023年1月29日(日)
水戸芸術館現代美術ギャラリー
https://www.arttowermito.or.jp/
開館時間:10:00–18:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし1/9は開館)、年末年始(12/27-1/3)、1/10
企画担当:竹久侑(水戸芸術館現代美術センター芸術監督)
展覧会URL:https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5186.html

 

水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、水戸市出身で同地を拠点に国内各地でさまざまな活動を展開するアーティスト、中﨑透の美術館初個展『中﨑透 フィクション・トラベラー』を開催する。

中﨑透(1976年茨城県生まれ)は、言葉やイメージといった共通認識の中に生じるズレをテーマに、看板をモチーフとした作品をはじめ、パフォーマンス、映像、インスタレーションなど、さまざまな形式で制作を行なう。個人としての活動のほか、2006年に野田智子、山城大督とともにアーティスト・ユニットNadegata Instant Partyを結成、2007年にはオルタナティブ・スペース「遊戯室(中﨑透+遠藤水城)」を設立。東日本大震災とそれによって引き起こされた東京電力福島第一原子力発電所の事故に対する応答として2011年に発足した 「プロジェクトFUKUSHIMA!」では、当初より主に美術部門のディレクションを担当するなど、幅広い活動を展開している。

 


中﨑透《color or white》2007年 撮影:柳場大


参考図版:中﨑透《Peach Beach, Summer School》2019年 撮影:越後谷出

 

近年の中﨑は、ある特定の場について、そこに関わる人々にインタビューを行ない、そこから抽出した言葉をもとに独自の視点から物語を構成し、その場の歴史や特質にちなんだ文学的なインスタレーションの構築を試みている。本展では、水戸および水戸芸術館をモチーフに、それぞれに縁のある男女5名のインタビューに取り組むとともに、同館の設立に関わる著書を調査したうえで、水戸と水戸芸術館をめぐる「もう一つの物語」を紡ぎ上げる。中﨑の両親によるインタビューも含まれ、自叙伝的な色合いを帯びた出身地ならではの作品となる。

また、本展は、代表作である看板をモチーフとしたシリーズ「看板屋なかざき」から、絵画やドローイング、過去のインスタレーションの再構成、カラーアクリルと蛍光灯を素材に用いた立体作品など、初期作から近作まで中﨑の活動の軌跡をたどる回顧的な要素も備える。会期前半には、「看板屋なかざき」の新規制作を公開で実施。「看板」の注文を事前に募り、発注者と受注者である中﨑との二者面談を経て、実際に看板を制作し、会期後半には完成した集合看板を展示する。会期中には、アーティストトークのほか、「プロジェクトFUKUSHIMA!」のドキュメンタリー映画上映と大友良英、藤井光をゲストに招いたトーク、野田智子、山城大督とともに3人で取り組むNadegata Instant Partyの映像上映とトークなど、個人の制作活動と並行して行なわれてきた幅広い活動も紹介する。

 


中﨑透「Poolside Snowman」展示風景 2021年 撮影:門間友佑


中﨑透《Beauty is in the eye of the beholder》2021年 撮影:柳場大

 

同時開催のクリテリオムでは、他者とのつながりや日々の出来事を題材に、弱さや傷つきやすさとその修復をテーマに作品を制作する榎本浩子(群馬県生まれ)を現代美術ギャラリー第9室で紹介する。榎本は活動初期より、ドローイングやテキスト、写真、映像など複数のメディアを組み合わせた空間的なインスタレーションを発表。近年では、植物や蜜蝋など、傷の治癒に用いられる素材に関心を寄せ、それらを取り入れた制作や活動に取り組んでいる。本展では、生産性や消費を優先するなかで見過ごされてしまう記憶や弱さを受け容れ、時間をかけ、見守ることで生まれる変化に目を向けた作品群を発表する。

 

関連企画
アーティストトーク
出演:中﨑透
進行:竹久侑(本展企画者、現代美術センター芸術監督)
2022年11月5日(土)14:00-15:30
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
定員:40名 ※要予約、先着順
料金:無料 ※要展覧会入場券
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5217.html

「看板屋なかざき」注文を承ります。大募集&公開制作
2022年11月6日(日)、11月11日(金)、11月12日(土)、11月18日(金)、11月19日(土)、11月20日(日)
件数:24件 ※要予約・先着順
料金:1,100円 ※別途、展覧会入場券が必要
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5218.html

「プロジェクトFUKUSHIMA!」ドキュメンタリー映画上映+トーク
2022年12月3日(土)映画上映のみ|15:00-(※要予約)
2022年12月4日(日)映画+トーク|14:00-16:30(※要予約・先着順・11/5受付開始)
ゲスト(12月4日のみ):中﨑透、大友良英(音楽家)、藤井光(美術家)
会場:水戸芸術館内
定員:40名
料金:500円 ※別途、展覧会入場券が必要
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5219.html

Nadegata Instant Party上映+トーク
2023年1月14日(土)14:00-16:00
ゲスト:中﨑透、野田智子(アート・マネージャー)、山城大督(美術家)
会場:水戸芸術館内
定員:40名 ※要予約・先着順・11/5受付開始
料金:無料 ※要展覧会入場券
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5220.html

展覧会関連 教育プログラム
視覚に障害のある人との鑑賞ツアー「session!」特別編
2022年12月11日(日)、12月18日(日)各日10:00-12:30/14:30-17:00
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
定員:各回5名 ※要申込/抽選(申込期間:10/8-11/6)
料金:1,500円 ※展覧会入場料を含む
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5221.html

ウィークエンド・ギャラリートーク
2022年11月19日(土)より毎週土曜日 各日15:30-(40分程度)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
料金:無料 ※要展覧会入場券
※ただし、他のプログラムとの関連で中止となる場合あり
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5222.html

 

 


 

同時開催
クリテリオム99 榎本浩子
2022年11月5日(土)– 2023年1月29日(日)
水戸芸術館現代美術ギャラリー第9室
企画担当:後藤桜子(水戸芸術館現代美術センター学芸員)
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5201.html

 


榎本浩子「たゆたまりに小石をひとつ」での展示風景、アキバタマビ21、3331 Arts Chiyoda、東京、2022年


榎本浩子「たゆたまりに小石をひとつ」での展示風景、アキバタマビ21、3331 Arts Chiyoda、東京、2022年

Copyrighted Image