わしゃ、今が花よ 70歳で開花した絵心 丸木スマ展 @ ベルナール・ビュフェ美術館


丸木スマ《せみが鳴く》1952年 原爆の図丸木美術館蔵

 

わしゃ、今が花よ 70歳で開花した絵心 丸木スマ展
2021年4月24日(土)- 9月28日(火)
ベルナール・ビュフェ美術館 別館2階 企画展示室
https://www.clematis-no-oka.co.jp/buffet-museum/
開館時間:10:00-18:00(9月は17:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日:水(祝休日の場合は翌日休み)

 

ベルナール・ビュフェ美術館では、「原爆の図」で知られる丸木位里の母(俊の義母)で、70歳を過ぎてから初めて絵筆をとり、81歳で亡くなる約9年間で700点以上もの作品を残した丸木スマの個展『わしゃ、今が花よ 70歳で開花した絵心 丸木スマ展』を開催する。

丸木スマ(1875年広島県伴村[現・広島市安佐南区]生まれ)は、20歳で丸木金助と結婚し、船宿業と農業に従事しながら、画家となった長男の位里を含む4人の子どもを育てる。1931年に家業に見切りをつけて移り住んだ広島市で1945年に原爆を体験、それが原因で金助を亡くす。その後、隠居して暇を持て余していたところ、息子夫婦の位里と俊の勧めにより、1948年頃より絵を描きはじめる。美術教育を受けたことはなかったが、その絵は1951年に女流画家協会展で入選を果たし、同協会創立会員の三岸節子が高く評価したと言われている。絵を描くことに魅せられたスマは、遠近法や透視図法などとは無縁で、身近な動物や魚、四季の花々などを題材に配色や構図に独自の工夫をつづけ、1956年に不慮の事故で生涯を終える。2008年には埼玉県立近代美術館で『丸木スマ展 -樹・花・生きものを謳う-』が開かれ、2017年にも『丸木スマ展 おばあちゃん画家の夢』が一宮市三岸節子記念美術館と原爆の図 丸木美術館で開かれている。

 


丸木スマ《簪》1955年 原爆の図丸木美術館蔵


丸木スマ《田楽》1956年 原爆の図丸木美術館蔵

 

本展では、家族を楽しませた初期のスケッチから独特の感覚で世界を表現し構成した作品まで、9年間の変遷を年代順に紹介する。なかでも初期作品が一堂に会するのは本展の特徴。最初期の作品では、線を引くことにまだ慣れていないスマが、点をつなぐようにして描いているようすが見られる。また、1954年発行の『丸木スマ画集』に掲載されていながら、長らく所在不明だった作品《鵜(う)》(大原美術館所蔵)も出品される。

 

関連イベント
ギャラリートーク
講師:岡村幸宣(原爆の図丸木美術館学芸員)
2021年4月24日(土)11:00-、14:00-(ともに約30分)
会場:ベルナール・ビュフェ美術館 別館2階 企画展示室
予約不要

 


丸木スマ《ひまわり》制作年不詳 原爆の図丸木美術館蔵


丸木スマ《めし》1950年 原爆の図丸木美術館蔵

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