αMプロジェクト2020-2021『約束の凝集 vol.3 黑田菜月|写真が始まる』@ gallery αM


 

αMプロジェクト2020-2021
約束の凝集 vol.3 黑田菜月|写真が始まる
2021年3月16日(火)- 6月5日(土)
gallery αM
https://gallery-alpham.com/
開廊時間:13:00-20:00
休廊日:日、月、祝
ゲストキュレーター:長谷川新(インディペンデントキュレーター)
※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大防止対策として営業時間等の変更の可能性あり。最新情報は随時gallery αMのWebページやSNSで発信。

 

gallery αMでは、ゲストキュレーターの長谷川新が企画するαMプロジェクト2020-2021『約束の凝集』の第三弾として、黑田菜月の個展『写真が始まる』を開催する。

黑田菜月(1988年神奈川県生まれ)は、中央大学在学中に早稲田大学写真部に在籍。2011年に卒業し、2013年に第8回写真「1_WALL」展でグランプリを受賞。翌年のグランプリ受賞者個展『けはいをひめてる』(ガーディアン・ガーデン)で、子どものふとした瞬間に見せる表情に特別な「けはい」を読み取ろうとする写真作品を発表した。2017年には中国の老人ホームに数日間通い、高齢者の身体に流れる「異なる時間」を捉えようとした写真と、高齢者を取り巻く人々へのインタビュー、黑田が体験したエピソードを交えた個展『わたしの腕を掴む人』(ニコンサロン、東京/大阪)を開催する。また、2016年から横浜市立金沢動物園で毎年行なわれているメディアアート展『ひかるどうぶつえん』に参加し、2018年には同年5月に同園で子どもたちを対象に実施したワークショップを基にした映像作品と、ワークショップの成果物を個展『友だちの写真』(OGU-MAG、東京)で発表。2019年には同園にて写真と映像のグループ展『どうぶつえんの目』(横浜市立金沢動物園)を企画、自身の作品「静かに歩かないで、普通に近づいて」も発表している。

 


黑田菜月《部屋の写真》2021年、28分

 

本展では、上述した横浜市立金沢動物園で子どもたちを対象に実施したワークショップを基にした映像作品《友だちの写真》(2018/2021)と、2017年頃から断続的に重ねてきた介護の現場の人々の撮影やインタビューを基にした映像作品《部屋の写真》(2021)を上映。併せて、映像作品が上映されている空間の外の鑑賞を待つ空間にいくつかの写真作品を展示する。キュレーターの長谷川新は、「《友だちの写真》では動物園で子どもたちがふたつのチームに分かれて写真を撮り、手紙を書くが、それぞれのチームの子どもたちが顔を合わせることはない。《部屋の写真》も、 黑田が撮影した写真をもとに介護者が言葉を重ねていくが、聞き手である私たちがその部屋の住人を眼にすることはない。写真を通り抜けることでしか、より正確に言えば、写真について語る言葉をたどり直してみることでしか凝視できない人間がいる」と語り、写真家である黑田のふたつの映像作品において、写真が重要な道具立てとなっていることを指摘する。また、長谷川は、写真のもつ暴力性への自覚の誇示とは異なる「写真はあっていい(写真を観て、言葉にすることは楽しい)」というメッセージを黑田の写真から読み取り、本展における「写真から言葉に、言葉からまた写真に戻りつつ、ミニマムな翻訳を繰り返していくような実践」を通して、「写真はこんなにもまだ観ることができるのか」という驚きとともに、「写真が始まったと信じられる経験」がもたらされるだろうと期待の言葉を記す。

 


黑田菜月《友だちの写真》2018/2021年、25分

 

 


 


αMプロジェクト2020-2021『約束の凝集』
長谷川新「約束の凝集」

vol.1 曽根裕|石器時代最後の夜
2020年8月29日(土)- 11月14日(土)

vol.2 永田康祐|イート
2020年11月27日(金)- 2021年3月5日(金)(冬季休廊:2020年12月20日 – 2021年1月8日)

vol.3 黑田菜月|写真が始まる
2021年3月16日(火)- 6月5日(土)

vol.4 荒木悠
2021年6月18日(金)- 9月22日(水)(夏季休廊:8月1日 – 8月23日)

vol.5 高橋大輔
2021年10月2日(土)- 12月18日(土)

Copyrighted Image