リー・キット『(Screenshot)』@ シュウゴアーツ


リー・キット《Screenshot》2020年 digital print on matte photo paper, 52.5 x 70.0cm

 

リー・キット『(Screenshot)』
2020年12月12日(土)- 2021年1月30日(土)
ShugoArts
http://shugoarts.com/
休館時間:12:00-18:00
休廊日:日、月、祝、冬季休廊(12/27-1/4)

 

シュウゴアーツでは、香港出身のアーティスト、リー・キットの個展『(Screenshot)』を開催する。

リー・キット[李傑](1978年生まれ)は、生まれ育った香港、活動拠点を置く台湾、また、作品を発表する都市など、都市が抱える社会・政治的状況を直接的に扱うのではなく、都市から得る不安や孤独、存在/不在、ノスタルジーなどの捉えがたい感覚を空間に反映したインスタレーションで高い評価を得ている。2000年頃から作品の発表をはじめ、2013年に第55回ヴェネツィア・ビエンナーレの香港館で個展『You (you).』を開催。さまざまな場所に見られる普遍的なものが、その場所の特性に呼応しながらゆっくりと有機的に繋がっていく様を、ひとつの絵画制作のプロセスのように展開した。近年の主な展覧会に『Hold your breath, dance slowly』(ウォーカー・アートセンター、2016)、『A small sound in your head』(ゲント現代美術館[S.M.A.K.]、2016)、『The Enormous Space』(OCTコンテンポラリー・アート・ターミナル[OCAT]深圳、2018)、『僕らはもっと繊細だった。』(原美術館、2018)、『Resonance of a sad smile』(アートソンジェ・センター、2019)などがある。

 


リー・キット《Takamatsu》2019年 Acrylic, emulsion paint, inkjet ink on cardboard, 42.5×32.5cm

 

近年、作品を発表する都市を訪れ、しばらく滞在しながら制作と展示を同時に進めてきたリー・キットだが、本展では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による厳しい出入国規制を受けて、来日することなく展覧会に挑む。リーは台湾から東京のギャラリーに「展示設営インストラクション」を送り、遠隔でのコミュニケーションをとりながら展示空間を構成。絵画だけでなく、6年前から継続的にFacebookに投稿してきたフォトドキュメンタリーより制作した写真作品などで構成される本展は、展覧会に寄せられたリー自身のテキストが「罪悪感が、スクリーンショットされる」という文章で締められるように、「罪」の概念を考察するものとなる。

本展に並行して、現在、リー・キットは原美術館の同館最後の展覧会『光―呼吸 時をすくう5人』(2021年1月11日まで)に参加。2018年の同館での個展で発表した、展示室に差し込む自然光と人工光が相まった静謐なインスタレーション《Flowers》(2018、原美術館蔵)を出品している。また、12月19日から香港のアートスペースOiでソロプロジェクトを発表。来年も2月にデン・ハーグのWest、3月に台北の関渡美術館、9月に上海のロックバンド・アート・ミュージアム[上海外灘美術館]での個展が控えている。

 


リー・キット《A landscape》2020年 digital print on matte photo paper, 52.5x70cm


リー・キット《Still life》2020年 digital print on glossy photo paper, 45x60cm

 

 


 

光―呼吸 時をすくう5人
2020年9月19日(土)- 2021年1月11日(月・祝)
原美術館
http://www.haramuseum.or.jp/
開館時間:11:00-16:00(土日祝は17:00まで)
休館日:月(9/21、11/23、1/11は開館)、9/23、11/24、年末年始(12/28-1/4)

 

ART iT Interview Archive
リー・キット「ザ・グレート・プリテンダー」(2017年5月)

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