
2025年5月31日に開館した直島新美術館が、1992年から直島で開催していた美術と建築、社会との関わりなどを論じあうシンポジウム「直島会議」を再開する。記念すべき再開後の第1回は、「《マルコ・ポーロの忘れ物》から直島新美術館へーアジア現代アートと 1995-2025」のタイトルの下、直島新美術館のパブリック・プログラムとして9月7日(日)に開催する。
直島会議は、1992年から2004年まで、その方向性を徐々に定めながら7回にわたり開催。「電子情報化社会の環境と芸術のあり方」「アートはコミュニティに投げかける」など、時代に応じて幅広いテーマを扱いながら、直島での活動の意義を深め、発信していた。
再開後初となる今回のタイトルにある《マルコ・ポーロの忘れ物》とは、直島新美術館に大型インスタレーションが設置されたアーティストの蔡國強が、1995年の第46回ヴェネツィア・ビエンナーレの後援企画として開催した「トランスカルチャー展」(主催:国際交流基金、福武学術文化振興財団)で制作展示した作品に由来する。同作は、かつて多くの文物を西欧にもたらしたマルコ・ポーロが持ち帰らなかったものとして、天と人の秩序を示す東洋の宇宙観や生命観をヴェネツィアに届けるプロジェクトで、同展に併せて設立された第1回ベネッセ賞を受賞した。本会議では、同展および本作を起点に、登壇者それぞれの体験を通して、アジアの現代アートシーンの変遷を振り返るとともに、国際的視座から直島新美術館発足の背景と今後の可能性などを探る。
シンポジウムの登壇者は、当時よりアジアの現代アートシーンの発展に深く携わってきた専門家として、バンコク・アート・ビエンナーレ最高責任者兼芸術監督のアピナン・ポーサヤーナン、M+館長のスハーニャ・ラフェル、直島新美術館館長で、ベネッセアートサイト直島インターナショナルアーティスティックディレクターの三木あき子の3名。モデレーターは、横浜トリエンナーレ組織委員会総ディレクター補佐で横浜美術館国際グループ兼学芸グループ グループ長の帆足亜紀が務める。
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直島新美術館パブリック・プログラム
直島会議2025
《マルコ・ポーロの忘れ物》から直島新美術館へーアジア現代アートと 1995-2025
2025年9月7日(日)13:30–15:30 終了予定(開場:13:00)
会場:ベネッセハウス パークホール
登壇者:アピナン・ポーサヤーナン(バンコク・アート・ビエンナーレ最高責任者兼芸術監督)、
スハーニャ・ラフェル(M+館長)、三木あき子(直島新美術館館長/ベネッセアートサイト直島インターナショナルアーティスティックディレクター)
モデレーター:帆足亜紀(横浜美術館国際グループ兼学芸グループ グループ長、横浜トリエンナーレ組織委員会総ディレクター補佐)
料金:無料(直島新美術館もしくはベネッセハウス ミュージアムの前日/当日の鑑賞チケット必須)
言語:日英同時通訳
申込フォーム:https://reg18.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=oapd-mckfmj-823247268afe149ad7c4dc86013dd00e
プログラム(予定)
イントロダクション:三木あき子
《マルコ・ポーロの忘れ物》蔡國強からのビデオメッセージ
プレゼンテーション1:アピナン・ポーサヤーナン
プレゼンテーション2:スハーニャ・ラフェル
帆足亜紀モデレーターによるディスカッション
直島新美術館:https://benesse-artsite.jp/nnmoa/