第1回福岡アートアワード


鎌田友介《Japanese houses (Taiwan/Brazil /Korea/U.S./Japan)》2021年

 

2023年3月24日、福岡市美術館が本年度新設した「福岡アートアワード」の受賞作家と受賞作品が発表となった。記念すべき第1回の市長賞は鎌田友介、優秀賞はチョン・ユギョンと石原海が受賞。3月29日から6月11日まで、同美術館のコレクション展示室にて、受賞作品展を開催する。

福岡市は本年度(2022年度)より、彩りにあふれたアートのまちを目指して、暮らしの中で身近にアートに触れる機会を増やし、アーティストの成長支援に取り組む「Fukuoka Art Next」事業を推進している。福岡アートアワードは、同事業の一環として、福岡市美術館が本年度(2022年度)設立した美術賞で、同市内で目覚ましい活動を行ない、今後も飛躍が期待できるアーティストを対象に作品の買い上げをもって贈賞する。

鎌田友介(1984年神奈川県生まれ)は、歴史や社会の状況を反映するとともに、国家の文化やアイデンティティ形成のツールにもなる建築をテーマに美術と建築を横断する活動を続ける。昨年は釜山ビエンナーレ2022や香港のCHAT (centre for heritage arts and textile )にも参加し、『VOCA展2022 現代美術の展望―新しい平面の作家たち』では奨励賞も受賞。福岡市内のSRギャラリーで個展『Japanese Houses』を開催。受賞作品は《Japanese houses (Taiwan/Brazil /Korea/U.S./Japan)》(2021)。

 


チョン・ユギョン《Let’s all go to the celebration square of victory!》2018年


石原海《重力の光》2021年

 

優秀賞を受賞したチョン・ユギョン(1991年兵庫県生まれ)は、在日コリアン3世という出自を基点に、国家と個人の関係を問い直す表現を探究している。2019年には『VOCA展2019 現代美術の展望―新しい平面の作家たち』で奨励賞を受賞。2020年には韓国国立現代美術館 ソウル館の企画展『2020 Asia Project—Looking for Another Family』に参加。2021年には福岡市内のart space tetraに滞在し、個展『After Potemkin Villages』を開催。受賞作品は《Let’s all go to the celebration square of victory!》(2018)。同じく、優秀賞を受賞した石原海(1993年東京都生まれ)は、愛、ジェンダー、個人史と社会をテーマに、現代社会の一面や心の機微を丁寧に捉えた実験的な映画作品や映像インスタレーションを発表している。2021年には第15回「shiseido art egg」に入選し、資生堂ギャラリーで個展を開催。昨年は映画《重力の光 祈りの記録篇》をイメージフォーラムなど全国劇場公開、北九州市内のGallery SOAPにて個展『重力の光:北九州篇』を開催した。受賞作品は《重力の光》(2021)。

 

第1回福岡アートアワード受賞作品展
2023年3月29日(水)- 6月11日(日)
福岡市美術館 2階コレクション展示室 近現代美術室B
※授賞式は3月29日(水)9:30-10:00に同会場で開催

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