起点としての80年代

1970年代のコンセプチュアルでストイックな表現に対する反動から、80年代の日本では絵画や彫刻の復権が唱えられ、好調な経済状況を背景として、色彩豊かで伸び伸びとした筆遣いの「ニュー・ペインティング」などが広まりました。しかし、90年以降の美術は、むしろ「おたく」など80年代のサブカルチャーに影響を受けた表現が主流となります。そのため、それ以降、80年代の美術は参照されることが少なくなってしまいました。近年、「具体」や「もの派」など1970年代までの戦後日本美術に関する研究が国内外で急速に進んでいます。今こそ、70年代と90年代のはざまにある80年代の日本美術について深く見つめる時期に来ていると言えます。約30年を経た今日から振り返ると、80年代は、今日の美術において重要なインスタレーションという形式、作品制作への参加や社会との関係への意識、オルタナティブ・スペース、 メディア・アート、「美術」という制度を相対化する視点、日常性や軽やかさを大切にする感性などが新たに生まれた、充実した時代であったことがわかります。本展では今日の視点から80年代の日本の美術を見詰め直し、「起点」となる作品を紹介します。

 

会期:

2018年11月3日(土・祝)~12月16日(日)

休館日:

月曜日

開館時間:

9:30~19:00

*但し日曜日は17:00閉館/初日11月3日(土・祝)のみ展示室入室は10:15から

*入室は閉館30分前まで

主催:

高松市美術館

 助成:

一般財団法人地域創造

入場料:

一般 1,000円(800 円)、大学生 500円(400 円)、高校生以下無料

*( ) 内は前売及び20 名以上の団体料金

*身体障害者手帳・療育手帳または精神障害者保健福祉手帳所持者は無料

 

詳細は高松市美術館HPにて

 

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