
美術と歴史——ともに学校教育における科目や分野の名前です。これらに共通する部分があると感じたことはありますか?
美術作品にはそれが生み出された時代や社会、また人間の心のありようが映し出されています。私たちのまわりで起こる具体的な出来事が、美術作品が生み出されるきっかけとなることもあります。美術作品を見ることは、それらを深く知ることにつながります。
一方で美術作品のあり方は、作り手一人ひとりのなかで、あるいは作り手同士の関係を通じて、時代を追って変化していきます。それを私たちは「美術の歴史」、つまり人間が作り出した造形のあゆみとして見つめることで、過去を知る手がかりとしたり、また現在やこの先を見つめる糧にしたりできます。美術と歴史は、はじめから切り離せない関係にあるのです。
和歌山県立近代美術館はその名前にあるように、近代以降、つまり日本における明治から今日こんにちまでの美術を収集の対象としています。近代のはじまりは世界の各地域によって異なりますが、それぞれの国が外国との関わりを強く意識することになった時代でした。日本にとっては西洋との関わりから、現代につながる美術という価値観が広がっていきます。
その間150年あまり、この国は大きな世界戦争を直接に経験し、その後ますます世界と大きく関わって、現在の私たちの社会を作り上げてきました。今の世界はひと昔前とどのように違うのか、また今の私たちがこの先どのような世界を作り出すのか、昭和という時代から数えて100年目、また戦後80年という節目のこの夏、開館55周年を迎えた和歌山の美術館としての目線で考えてみたいと思います。
会場 | 和歌山県立近代美術館 1階展示室 |
---|---|
会期 | 2025年07月12日(土)~09月15日(月・祝) |
開館時間 | 9時30分〜17時[入場は16時30分まで] |
休館日 | 月曜日(祝休日の7月21日、8月11日、9月15日は開館)、7月22日(火)、8月12日(火) |
観覧料 | 一般600(480)円、大学生330(290)円 ()内は20名以上の団体料金 *同時開催の「和歌山をめぐるローカリズムとモダニズム」及び 「MOMAWコレクション 現代の美術」も観覧可能 *高校生以下、65 歳以上、障害者手帳をお持ちの方は無料 *毎月第4土曜日(7月26日、8月23日)は「紀陽文化財団の日」として大学生無料 *毎月第1日曜日(8月3日、9月7日)は無料入館日 |
主催 | 和歌山県立近代美術館 |
関連事業 | 和歌山県立近代美術館のサイトをご覧ください |

