GⅢ-Vol.161 酒井一吉 幽語の回路

 

長崎出身のアーティスト酒井一吉は、祖父母が被爆者であるという出自から「ナガサキ/NAGASAKI」を見つめてきました。本展では、長崎市の《平和祈念像》に見られるの「手」の造形を起点としながら、「語り」をめぐる制度や身体性について光を当てた作品を発表します。戦後80年、戦争体験者による直接の「語り」が不可能になりつつある現実を前に、しばしば未来への「継承」が議論に上っています。語る主体の不在を危ぶむ声は小さくありませんが、酒井の「語り」に対するまなざしは、静かな彫刻の「手」、制度の中にある「語り」の在り様をとらえ、さらには多くの必然の「沈黙」があることを浮き彫りにするでしょう。

 

展覧会情報

会 場: 熊本市現代美術館 ギャラリーⅢ [入場無料]

 : 2025年8月1日(金)-10月19日(日) 69日間

時 間: 10:00-20:00

休館日: 火曜

主 催: 熊本市現代美術館[熊本市、公益財団法人 熊本市美術文化振興財団]

助 成: 公益財団法人 花王 芸術・科学財団

 

関連イベント

アーティスト・トーク「幽語と対話する──AIとともに語る記憶と沈黙

出品アーティストの酒井一吉が、生成AIとともに展覧会についてトークをします。

 

日 時:8月2日(土)13:30-14:30

会 場:ギャラリーⅢ

*参加無料 事前予約不要

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