MAMプロジェクト034:ソニア・ボイス @ 森美術館

ソニア・ボイス《ディボーショナル・ウォールペーパー・アンド・プラカード》2008-2022年 Courtesy: Manchester Art Gallery 展示風景:「ソニア・ボイス」展、マンチェスター・アート・ギャラリー(英国、マンチェスター)、2018年 撮影:Mike Pollard © Sonia Boyce. All rights reserved, DACS & JASPAR 2025 G4025

 

MAMプロジェクト034:ソニア・ボイス
2025年12月3日(水)–2026年3月29日(日)
森美術館
https://www.mori.art.museum/
開館時間は10:00–22:00(ただし、12/30を除く火曜と12/8は10:00-17:00)入館は閉館30分前まで
会期中無休
企画:ヴィクター・ワン(森美術館アジャンクト・キュレーター)
展覧会URL:https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamproject034/index.html

 

森美術館が2004年以降継続する国内外のアーティストとともに実験的なプロジェクトを試みてきたシリーズ、MAMプロジェクトの34回目の企画として、多様なジャンルで制作を行なう英国のアーティスト、ソニア・ボイスによる日本初の個展を開催する。

ソニア・ボイス(1962年ロンドン生まれ)は、ガイアナとバルバドス出身の両親のもとに生まれ、1980年代初頭に英国のブラック・アーツ・ムーブメントの中心的存在として頭角を現した。映像、写真、ドローイング、サウンド、インスタレーションなど多様なメディアを用いて、ディアスポラ(離散移民)の経験や他者との協働による創作の可能性を探究している。2022年の第59回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展では、イギリス館代表として「音(the sonic)」の観点から複数の歴史を再解釈するインスタレーション《Feeling Her Way》を発表し、各国参加部門の最高賞である金獅子賞を受賞した。

本展では、現在も継続中のシリーズ〈ディボーショナル〉のなかで最大規模となる《ディボーショナル・ウォールペーパー・アンド・プラカード》(2008–2020)を展示する。本シリーズは1999年、地域社会の女性の生活向上に取り組んできた黒人女性グループ「リバプール・ブラック・シスターズ」との協働を契機に始まった。参加者に最初に購入したレコードを挙げてもらい、ブラック・ブリティッシュの女性歌手の名前をリストアップするワークショップを行った経験から、見過ごされてきた女性パフォーマーたちを称え、その歴史を記憶する「生きたアーカイブ」という構想が生まれ、ボイスはその後20年にわたりレコードや雑誌、記念品などの資料を収集し続けている。2020年までに、こうした活動は、約200人の黒人女性ミュージシャンの名前が一面に印刷された壁紙と、その前にボイスの広範なアーカイブから写真や雑誌記事など多様な資料を用いて制作された100枚のプラカードが立ち並ぶ、展示空間全体を用いたインスタレーションへと発展した。本作は、不可視化されてきた文化を掘り起こし、新たな知のかたちを提示する試みであると同時に、ジャズやソウル、R&Bといったブラック・ミュージックを受容してきた日本独自の音楽カルチャーとも共鳴する。鑑賞者は、作品が掲げる名前や物語の証人としてそれらを心に刻み、未来へと語り継ぐことで、このアーカイブをともに更新していく主体として位置づけられる。

12月4日には、イベントとしても国内初となるトークセッションを開催する。森美術館アジャンクト・キュレーターのヴィクター・ワンとの対談を通じて、協働的かつ即興的な創作や、著作権、自由、文化的アイデンティティといった概念に絶えず問いを投げかけ、拡張してきたボイスの活動に迫る。

 

ソニア・ボイス アーティストトーク「アート、自由、そして協働」
2025年12月4日(木)19:00–20:30(開場18:45)
会場:森美術館
出演:ソニア・ボイス、ヴィクター・ワン
申込:https://www.mori.art.museum/jp/learning/8397/index.html

 

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