
開館5周年記念
杉⼾洋展:えりとへり/ flyleaf and liner
2025年12月5日(金)–2016年5月17日(日)
弘前れんが倉庫美術館
https://www.hirosaki-moca.jp/
開館時間:9:30–17:00(ただし3/1以降は9:00から開館)※入館は閉館30分前まで
休館日:火(ただし、4/14、4/21、4/28、5/5は開館)、年末年始(12/26–1/1)、5/7
コラボレーター:服部⼀成(グラフィックデザイナー)
展覧会URL:https://www.hirosaki-moca.jp/exhibitions/sugito-hiroshi/
弘前れんが倉庫美術館では、抽象と具象の狭間を行き来する独自の色面構成を特徴とした絵画作品で知られる現代の日本を代表する画家、杉⼾洋の個展「えりとへり/ flyleaf and liner」を開催する。
杉戸洋(1970年愛知県生まれ)は、⾝近なものや⾃然をモチーフに、それらを線や幾何学的な図形とともに繊細かつリズミカルに構成し、みずみずしい⾊彩で描き出してきた。1990年代の活動初期から国内外で数多くの展覧会に参加し、主な個展に「FOCUS」(フォートワース現代美術館、アメリカ合衆国テキサス州、2006)、「天上の下地 prime and foundation」(宮城県美術館、2015)、「frame and refrain」(ベルナール・ビュフェ美術館、静岡、2015)、「こっぱとあまつぶ」 (豊⽥市美術館、愛知、2016)、「杉⼾洋 とんぼ と のりしろ」(東京都美術館、東京、2017)などがある。
杉⼾洋《untitled》2025年 作家蔵 ©Hiroshi Sugito Photo by Hiroshi Sugito
杉⼾洋《color tree 2》1994/2024年 作家蔵 ©Hiroshi Sugito, Courtesy of Tomio Koyama Gallery Photo by Kenji Takahashi
本展において、杉戸は「余白」に目を向ける。「余白」とは、たとえば、絵画の裏側で、カンヴァスを囲む「えり」や「へり」として貼られた紙や⽊⽚のように、すぐには気が付かない場所にあるもの。本の表紙をめくると現れる「あそび紙 (flyleaf)」や、洋服の「裏地(liner)」など、あらゆる場所に潜んでいる。⾝の回りの様々な事物の形や質感に注⽬し、作品として再構成してきた杉戸は、額縁や台座、作品が設置される空間の床や壁など、作品を成り⽴たせる多様な要素への関⼼からも作品を展開。明治・⼤正期に酒造⼯場として建てられた建物を、建築家の⽥根剛が「記憶の継承」というコンセプトのもとに改修した弘前れんが倉庫美術館において、杉戸は煉⽡倉庫の空気や質感を感じ取り、本展の展⽰構成の検討を試みた。本展は、封筒の切れ端や段ボール、陶など⾝近な素材を⾃在に組み合わせた⼩作品や、1990年代に制作した未発表の絵画に再び⼿を加えた作品群が並び、杉⼾の創作の最新の姿を体感できる機会となる。
また本展には、同館のロゴマークなどのVI(ビジュアルアイデンティティ)のデザインをはじめ、雑誌や広告、ミュージシャンのアートワークなど、幅広く活躍するグラフィックデザイナーの服部⼀成がコラボレーターとして参加。杉⼾は服部がアートディレクションを手がけたファッション雑誌『流⾏通信』における⼤胆かつ⾃由な誌⾯構成からも「制作する上でのヒントがあった」と語っている。
さらに同時開催のコレクション展「北へ向かって」では、弘前出⾝の奈良美智と杉戸が2004年に共作した作品も特別出品。杉戸と奈良の親交は、杉戸が高校時代に通っていた美術予備校で講師をしていた奈良に出会う頃に始まり、現在に至るまで長年の信頼関係を築いてきた。杉⼾は2006年に同館の前身、煉⽡倉庫(「吉井酒造煉⽡倉庫」)で開かれた「YOSHITOMO NARA + graf A to Z」にも参加し絵画を発表。本コレクション展では、上述の絵画に加えて、当時のモチーフを2022年に彫刻として発表した際の原型も紹介する。
杉⼾洋《untitled》2017年 作家蔵 ©Hiroshi Sugito, Courtesy of Tomio Koyama Gallery Photo by Kenji Takahashi
杉⼾洋《untitled》2022年 作家蔵 ©Hiroshi Sugito, Courtesy of Tomio Koyama Gallery Photo by Hiroshi Sugito
関連プログラム
開幕セレモニー
2025年12月5日(金)15:15–
会場:弘前れんが倉庫美術館 展示室内
料金:無料(要観覧券)
申込:不要
https://www.hirosaki-moca.jp/events/12621/
オープニングトーク
2025年12月6日(土)14:00–15:30
出演:杉戸洋、服部一成
会場:弘前れんが倉庫美術館 展示室内
料金:無料(要観覧券)
申込:予約優先(詳細は下記URLを参照)
https://www.hirosaki-moca.jp/events/12616/
学芸スタッフによる解説ツアー
2025年12月13日(土)、2026年1月10日(土)、2月14日(土)、3月14日(土)、4月11日(土)、4月25日(土)、5月9日(土)、
各日:14:00–14:30
料金:無料(要観覧券)
申込:不要
集合場所:弘前れんが倉庫美術館 1階受付前
https://www.hirosaki-moca.jp/events/12537/
【H-MOCAメンバーズ限定】ナイトツアー:テクニカル・ディレクターと⾒る展覧会の裏側
2026年1月17日(土)17:30–18:45
会場:弘前れんが倉庫美術館 展示室内
料金:無料
対象:H-MOCAメンバーズ
申込:予約優先(詳細は下記URLを参照)
https://www.hirosaki-moca.jp/events/12527/
杉⼾洋×奈良美智 ラジオ型トークイベント
2026年2月21日(土)18:00–
出演(声のみ):杉戸洋、奈良美智
会場:弘前れんが倉庫美術館 展示室内
料金:1,000円(別途、要観覧券)
申込:予約優先(詳細は下記URLを参照)
https://www.hirosaki-moca.jp/events/12625/
H-MOCAレクチャー特別編「抽象ってなんだろう?形と⾊があらわす意味」
2026年3月4日(水)18:00–19:00
講師:木村絵理子(弘前れんが倉庫美術館館長)
会場:弘前れんが倉庫美術館 スタジオB
料金:1,000円(※H-MOCAメンバーズは無料)
定員:30名
申込:予約優先(詳細は下記URLを参照)
https://www.hirosaki-moca.jp/events/12639/
杉⼾洋によるワークショップ「紙で服をつくろう」
2026年3月28日(土)13:30–
会場:弘前れんが倉庫美術館 スタジオB
料金:1,000円
詳細は下記URLを参照
https://www.hirosaki-moca.jp/events/12644/
映画上映会
[A]『ココ・シャネル 時代と闘った⼥』
監督:ジャン・ロリターノ/2019年製作/55分/フランス
2025年12⽉14⽇(⽇)➀10:30– ➁14:00–
会場:弘前れんが倉庫美術館 スタジオB
定員:30名
料⾦:1,000円(⼀般)500円(⼤学⽣・専⾨学校⽣)無料(⾼校⽣以下)800円( H-MOCAメンバーズ)
申込:予約優先(詳細は下記URLを参照)
https://www.hirosaki-moca.jp/events/12648/
[B]『モンパルナスの灯』
監督:ジャック・ベッケル/1958年製作/108分/フランス
2026年1⽉25⽇(⽇)➀10:30– ➁14:00–
会場:弘前れんが倉庫美術館 スタジオB
定員:30名
料⾦:1,300円(⼀般)500円(⼤学⽣・専⾨学校⽣)、無料(⾼校⽣以下)1,000円(H-MOCAメンバーズ)
申込:予約優先(詳細は下記URLを参照)
https://www.hirosaki-moca.jp/events/12648/
同時開催
コレクション展2025-2026 北へ向かって
2025年12月5日(金)–2026年5月17日(日)
https://www.hirosaki-moca.jp/exhibitions/collection-2025-2026/
出品作家:⾬宮庸介、潘逸⾈、奈良美智、蜷川実花、⼤巻伸嗣、ジャン゠ミシェル・オトニエル、ナウィン・ラワンチャイクン、斎藤麗、佐藤朋⼦、和⽥礼治郎 ほか
