ANNUAL BRAKE 2025 @ The 5th Floor

デザイン:REFLECTA, Inc.(岡﨑真理子+畔上陽一)

 

ANNUAL BRAKE 2025
寺岡海「水を濡らす」
2025年10月31日(金)-11月16日(日)
宮内由梨「Regarding the Unlocatable Others – 薄暮沁みる皮膚にまぶたの流転」
2025年11月21日(金)-12月7日(日)
綾野文麿「Ideal is an ideal is an ideal is an ideal.」
2025年12月12日(金)-12月28日(日)
The 5th Floor
https://the5thfloor.org/
開場時間:13:00–20:00(最終入場19:30)
休場日:火、水
入場料:500円 ※ANNUAL BRAKE 2025開催中は来場3回目以降無料
キュレーション:平野成悟、木村こころ、川口遼大

 

The 5th Floorでは、若手アーティストを招請し、新作の制作・発表はせず、過去作品のみで展覧会を作るプロジェクト「ANNUAL BRAKE 2025」を開催する。今年で5回目となる本展では、寺岡海宮内由梨綾野文の3名が参加し、また、今年は若手キュレーター向けの教育プログラム「Pre-Curatorial」の昨年の参加者である平野成悟木村こころ川口遼大がそれぞれキュレーションを行なう。

「ANNUAL BRAKE」は、1年に1度継続的に開催しているプロジェクト。若手および中堅アーティストが作品発表を迫られ、新しいものを次々と要求される状況に対し、過去作品によって展覧会を構築することで、アーティストが自身の足跡と物語を確かめることを目的としている。

 

寺岡海「You(Me)」展示風景|2024|hakari contemporary
寺岡海「空を中継する」展示風景(2024)|THE TERMINAL KYOTO 

 

寺岡海(1987年広島県⽣まれ)は、別々の場所や視点、時間を、映像や⽴体を⽤いたインスタレーションによって接続するような作品を制作している。それにより、認識の主体である「私」と「世界」との関係についての考察を試みる。近年の主な個展に、「この空の下で」(京都市京セラ美術館 ザ・トライアングル、2025)、「You(Me)」(hakari contemporary 、京都、2024)、「春のまえがき」(KUNST ARZT、京都、2022)など。主なグループ展に「逃げ⽔をすくう」(The Terminal Kyoto、京都、2024)、「ウィルへルミーの吊り板」(MEDIA SHOP Gallery2、京都、2020)、「ニューミューテーション #2 −世界のうつし 展−」(京都芸術センター、2019)など。

「水を濡らす」のキュレーションを担当する平野成悟(1996年⼤阪府⽣まれ)は、京都を拠点として主に関⻄圏での展覧会企画やさまざまなアートプロジェクトに携わる。作者/作品を取り巻く空間や⽂脈、制度について思考を重ねながら展⽰⾏為の持つ可能性を探求している。2023、2024年度の京都市主催事業「Art Rhizome Kyoto」コーディネーター。近年のキュレーションに、「ウツツのはえる庭」(ビューイングルームこぉと、奈良、2025)、「narratage」(奈良町にぎわいの家、2024)、「寺岡海:You(Me)」(hakari contemporary、京都、2024)、「つきうつし」(galerie16、京都、2023)、「ウィルへルミーの吊り板」(MEDIA SHOP Gallery2、京都、2020)など。

 

宮内由梨《プシュケーの帰還》2024年、ロボットアーム、ガーゼ、植物染め、スピーカー、4200 × 2500 × 4100 mm © 冨田亮平
宮内由梨《Scar Script – sound score M. 1》2023年、インクジェットプリント、600 × 999 mm © 笠木靖之

 

宮内由梨(長野県生まれ)は、身体の感覚、とりわけ「かゆみ」を起点に皮膚感覚や内臓感覚に焦点を当て、把握/コントロールの及ばない感覚への内省を、人間が今後それをどう解釈し受け継ぐのか、あるいは置き去りにするのかという問いへと展開する。制作過程においては、ガーゼ布・葉書・音・土・樹脂・ロボットアームなどを多層的に組み合わせている。近年の主な個展に、「感情とは、世界が一度ほどけること」(横浜タイムマシーン研究所、神奈川、2025)、「Imprints of the Unseen」(Indeks、バンドン、インドネシア、2025)、「Scraped Script – からからの水壺から消える星の楕円」(gallery N 神田社宅、東京、2024)など。主なグループ展に、「Black Point」(H.art 1、 Sahng-up Gallery、ソウル、2025)、「第1回 BUG Art Award ファイナリスト展」(BUG アートセンター、東京、2024) 、「VOCA展 2023」(上野の森美術館、東京、2023)など。

「Regarding the Unlocatable Others – 薄暮沁みる皮膚にまぶたの流転」のキュレーションを担当する木村こころ(2000年山形県生まれ)は、フェミニズム/クィアの視点と脱植民地主義的な言説の交差点に関心を持ち、展覧会やワークショップを通じて、アイデンティティや自他関係の変容可能性を探求している。また、インドネシア・ジョグジャカルタ Cemeti: Institute for Art and Society にてリサーチインターンシップを経験し、現地のアーティストコレクティブとの協働プログラムを継続的に企画するなど、インドネシアを中心とする東南アジアのアートシーンの歴史と展開を実践的に探っている。オランダ・ユトレヒト大学大学院 Arts and Society 修士課程を修了。近年のキュレーションに、「Art Collaboration Kyoto Public Program 2025」(マーティン・ゲルマンとの共同キュレーション国立京都国際会館、2025)、「国際非暴力展 #SUM_MER_2025」(作品個別キュレーション、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、2025)など。

 

綾野文麿「Why Don’t You Dance?、Why Don’t You Dance?」2025年
綾野文麿「counting shelf、same as the street」2024年

 

綾野文麿(1992年福岡県生まれ)は、インスタレーションからパフォーマンスまで、写真・彫刻・絵画の要素を取り入れて制作する。イギリスと日本を行き来しながら育ち、現在は東京を拠点に活動。2023年に東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻を修了。在学中にミュンスター芸術大学にて、スーチャン・キノシタの元で交換留学をした。主な展覧会に「Why Don’t You Dance?」(18, Murata、東京、2025)、「Same as the street」(LAVENDER OPENER CHAIR、東京、2024)、「motivated bodies」(駒込倉庫、東京、2024)、「エンジェル・ピン・ブギ」(アートかビーフンか白厨、東京、2023)、「月出アートキャンプ2022」(月出工舎、千葉、2022)、「室内写真-Camera simulacra-」(文華連邦・あをば荘、東京、2020)など。

「Ideal is an ideal is an ideal is an ideal.」のキュレーションを担当する川口遼大(1999年山梨県生まれ)は、ノンフィクショナルな物語性を基に展覧会空間の設計を行なう。キュラトリアルコレクティブコレクティブ{}(cacco)共同設立者、代表。HR(旧称・ヒロ画廊伊豆大川)ゲストディレクター。2024年に中央大学法学部政治学科を卒業。近年の主なキュレーションに、磯崎隼士・道前碧二人展「波がくる」(HR、静岡、2025)、「U.F.F.U (utopia feeling feeding utopia)」(EUKARYOTE、CAGE GALLERY、東京、2025)、「港,飛行,為,音楽 (PORTS, AIR, FOR, MUSIC)」(The 5th Floor、東京、2024)、「paradigm✨smoke collaboration with GC magazine」(シノチカ、東京、2023)、「 { } 」(デカメロン、東京、 2023)などがある。

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