
Tokyo Contemporary Art Award 2020-2022 受賞記念展
2022年3月19日(土)– 6月19日(日)
東京都現代美術館 企画展示室3F
https://www.mot-art-museum.jp/
開館日時:10:00-18:00
休館日:月(ただし、3/21は開館)、3/22
入場料:無料
公式ウェブサイト:https://www.tokyocontemporaryartaward.jp/
東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)は、Tokyo Contemporary Art Award 2020-2022の受賞者の藤井光と山城知佳子による受賞記念展を東京都現代美術館で開催する。
Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)は、2018年に東京都とTOKASが日本国内のアーティストのキャリア形成において比較的支援の薄い中堅アーティストの海外展開を含む更なる飛躍の促進を目的に設立した現代美術賞。昨年は同賞初代受賞者の風間サチコと下道基行が受賞記念展を開催、2022年の年明けには4回目となるTCAA 2022-2024の受賞者に津田道子とSaeborg(サエボーグ)が選ばれるなど、賞の存在感も高まっている。
両者が個展形式で作品を発表する本展では、藤井光は戦後の絵画をめぐる議論をアメリカ占領軍が残した公文書から考察する新作を、山城知佳子は沖縄でのリサーチを軸にした新作と新作と関連の深い過去作品を発表する。これまでの制作においても国内外の歴史的事象について実証的に検証しつつ、常に現在の視点を持ち込むことで同時代の社会課題に対する応答を試みてきた藤井は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、支援予定だった東南アジアへのリサーチを断念したが、マイクロフィルムに記録されたアメリカ公文書に写る占領軍が撮影した日本の戦争記録画の写真や接収後の扱いの判断に惑うGHQの姿を見つめながら、かつて日本人の画家たちによって描かれた戦場のアジアを旅しながら新作の制作に取り組んだ。これまでも出身地の沖縄を主題に制作し、制作過程に次作のヴィジョンを見出してきた山城もまた、出産や育児のなかでコロナ禍を過ごし、TCAAの支援による海外リサーチを断念したが、移動せず、同じ場所に居続けることで、自分自身が変容し流動する状態を経験したことを前向きにとらえ、「新たに構成され生成する世界を敏感に感受し、人間が変わっていくことを恐れずひとつひとつを未来に繋げて選択できるように思索したい」と語る。なお、展覧会の開幕に合わせ、アーティストごとに作成した日英バイリンガルのモノグラフを発行。モノグラフの一部は2022年3月下旬頃にPDFデータとして公式ウェブサイト内で公開される予定。


藤井光(1976年東京都生まれ)は、紛争や事故などの厄災に起因する、あるいはそれにより顕在化した社会構造の不条理を主題に映像インスタレーションを制作する。藤井が設定した、史実にもとづいた出来事の再演や実際的な議論の場をとおして、その主題が我々の日常に潜む諸問題と地続きであることを示してきた。近年の主な展覧会に、個展『特別企画 藤井光 爆撃の記録』(原爆の図丸木美術館、埼玉、2021)、『3.11 とアーティスト:10 年目の想像』(水戸芸術館現代美術ギャラリー、2021)『もつれるものたち』(東京都現代美術館、2020)、個展『核と物』(KADIST、パリ、2019)、『あいちトリエンナーレ 2019:情の時代』(名古屋市美術館)、個展『第一の事実』(ISCP、ニューヨーク、2018)、『カタストロフと美術のちから』(森美術館、東京、2018)など。
山城知佳子(1976年沖縄県生まれ)は、出身地の沖縄を舞台に映像や写真を制作。地理的要因により独自の歴史や文化を持つ沖縄の戦争の継承や戦後の政治的構造について、時には自身も被写体となり、肉体や声など、身体を通じて問題を提起してきた。また、物語性を取り入れることで新たな視座で沖縄を捉えた作品は、壮大さと普遍性を獲得している。近年の主な展覧会に、個展『山城知佳子 リフレーミング』(東京都写真美術館、2021)、『話しているのは誰? 現代美術に潜む文学』(国立新美術館、東京、2019)、『京都国際舞台芸術祭』(京都芸術センター、2018)、個展『Shapeshifter』(White Rainbow、ロンドン、2018)など。


同時開催
吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる
2022年3月19日(土)– 6月19日(日)
東京都現代美術館 企画展示室1F
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2022年3月19日(土)– 6月19日(日)
東京都現代美術館 企画展示室 地下2F
MOTコレクション 光みつる庭/途切れないささやき
2022年3月19日(土)– 6月19日(日)
東京都現代美術館 コレクション展示室1F / 3F