メゾンエルメス8階フォーラム 次回展覧会のお知らせ

「Hollow」 小谷元彦展
Hollow by Motohiko Odani

会期 : 2009年12月17日(木)~2010年3月28日(日)
月~土曜11:00~20:00 (最終入場19:30) 日曜 11:00~19:00(最終入場18:30)
会期中無休 (但し1月1日(金)、2日(土)、3月17日(水)除く)
入場無料
会場 : メゾンエルメス8Fフォーラム (中央区銀座5-4-1 TEL: 03-3569-3300)
主催 : エルメス財団

メゾンエルメス8階フォーラムでは、2009年を締めくくる展覧会として、現代美術作家の小谷元彦展を開催いたします。小谷元彦は1972年京都に生まれ、東京藝術大学美術学部彫刻科、同大学院美術研究科を修了し、現在は同大学で教鞭を取りながら東京を拠点に活動しています。1997年の初個展以来、国内外で精力的に作品を発表し、2003年には、ヴェネチア・ビエンナーレの日本代表作家にも選出されました。

小谷は、写真、映像、インスタレーションなど、多岐にわたる手法や素材を使って、人間の「痛覚」や、「変容」の瞬間を捉えるような数々の作品を発表し、身体を渦巻くダイナミズムを表現することに挑んでいます。今回、フォーラムで発表する新作では、人体像を媒介として、身体を取り巻く空気とその運動の可視化を試みます。空中では視覚として認識できない重力や浮力といった物理的な動き、あるいは身体の内から発せられる気やオーラのような精神的な現象など、我々の身体の内外には様々な動きが潜んでいます。例えば重力のベクトルが歪み、中空に放り出された場合、あるいは恍惚といった心身のエクスタシーに身を委ねた場合、その身体の描く形は通常の重力から開放され、次元を超えた異形へと導かれます。小谷が「Hollow」で造形するのは、その次元を超えた人体の残像です。分裂、反転、落下、浮上という動きは、彫刻として各パーツに解体され再構築されることで、人体のある瞬間の抜け殻のように漂います。

白い彫刻が発するうつろな空気は「Hollow」というタイトルそのものであり、その中へ足を踏み入れる者の重力のベクトルをも狂わせるかのようです。その空間に充満するエロスや痛みを通じて、我々は新たな身体感覚の覚醒や延長を体験するのです。

小谷元彦
1972  京都府生まれ 東京在住

主な個展
2009 「SP4 ‘the specter’ in modern sculpture」山本現代、東京
2007 「SP2 New Born」山本現代、東京
2004 「モディフィケーション」キリンプラザ大阪、大阪
「エレクトロ」ヤマモトギャラリー、東京
2002 「ナインス・ルーム」京都造形芸術大学ギャラリーRAKU、京都
2001 「エン・メロディ」ファインアート・ラファエル・フォステル、ベルリン、ドイツ
1998 「トランスフィギュレーション」レントゲンクンストラウム、東京
1997 「ファントム・リム」Pハウス、東京

主なグループ展
2009 「木に潜むもの」国立近代美術館、東京
「どろどろ、どろん 異界をめぐるアジアの現代美術」広島市現代美術館、広島
2008 「ライフがフォームになるとき」サンパウロ近代美術館、ブラジル
「ネオテニー・ジャパン」霧島アートの森、鹿児島(以降巡回)
2007 「現代美術の皮膚」国立国際美術館、大阪
「美麗新世界:当代日本視覚文化」北京大山子芸術区「798」、北京/広東美術館、広州、中国
「物語の彫刻」東京芸術大学 大学美術館陳列館、東京
2006 「ARS06」キアスマ現代美術館、ヘルシンキ、フィンランド
「縄文と現代—2つの時代をつなぐ『かたち』と『こころ』」青森県立美術館、青森
2005 「ストーリー・テラーズ」森美術館、東京
「ビカミング・アニマル」マサチューセッツ現代美術館、マサチューセッツ、アメリカ
「日本の知覚」クンストハウス・グラーツ&カメラ・オーストリア、グラーツ、オーストリア(以後巡回)
「身体の夢」ソウル市立美術館、ソウル、韓国
「ガンダム—来るべき未来のためにー」サントリーミュージアム天保山、大阪(以後巡回)
2004 「六本木クロッシング 日本美術の新しい展望2004」森美術館、東京
「東京スタイル:小谷元彦」近代美術館、ストックホルム、スウェーデン
2003 第50回ヴェネチア・ビエンナーレ「ヘテロトピア」日本館、ヴェネチア、イタリア
クンスト・フィルム・ビエンナーレ、ケルン、ドイツ
2002 光州ビエンナーレ、光州、中国
2001 ソンズビーク9「ローカス/フォーカス」アーネム、オランダ
「トランスレイテッド・アクツ」ハウス・デア・クルツレン・デア・ヴェルト、ベルリン、ドイツ(以後巡回)
第7回イスタンブールビエンナーレ、トルコ
2000 第5回リヨンビエンナーレ、ホール・トニー・ガルニエ、リヨン、フランス
1999 「ファンシーダンス」ソンジュ美術館/ソンジュ・アート・センター・ソウル、韓国
「グアレネ・アルテ 99」サンドレッド・レ・レバウデンゴ財団、トリノ、イタリア
「ネット_コンディション」 NTTインターコミュニケーションセンター(ICC)、東京
「日本ゼロ年」水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城(〜2000)
1997 「掌 -ワークス・オン・ザ・パルム-」レントゲンクンストラウム、東京
1995 「プール2」レントゲン藝術研究所、東京

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