多木浩二死去(1928-2011)

2011年4月13日、批評家で思想家の多木浩二が肺炎のため神奈川県平塚市の病院で死去した。82歳。東京大学文学部美学美術史学科卒。
60年代より美術のみならず、哲学や政治、歴史と幅広い領域を横断しながら執筆活動を行う稀有な存在であった。『日本近現代美術史事典』(2007)の監修を務めるほか、とりわけ写真においては『日本写真史ー1840-1945』(1971)の編集や中平卓馬らとの同人誌PROVOKEの創刊を始め、重要な評論を数多く残すなど、多大な貢献を果たした。また、建築においても『10+1』の編集に関わるなど多数の文献を執筆している。『生きられた家』(1976)『眼の隠喩』(1982)『戦争論』(1999)『雑学者の夢』(2004)など多くの著作、共著を残している。

(文中敬称略)

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