HERMÈS on STRIPES – 原研哉

【タイトル】 HERMÈS on STRIPES
【アーティスト名】 原研哉
【期間】 2011年6月9日~7月3日

エルメスの新しい試み、《petit h》(プティ アッシュ-再創造のアトリエ)と時を同じくして展開される今回のウィンドウ。見る人の心に眠る童心、遊び心、自由さを引き出すようなウィンドウが登場しました。手がけたのはグラフィックデザイナーの原研哉。グラフィカルでありながら三次元ならではのインパクトと迫力をもつ、遊び心あふれるウィンドウです。

薄くて細い柱がストライプのように林立するウィンドウ。精緻に配置された柱により、市松模様のパターンを形成する空間が浮かび上がります。そして視点をウィンドウの正面に移したときに、初めて柱の間に置かれた商品を見ることができるのです。右、正面、左という視点の移動とともに、手前の柱が構成するパターンだけが見えたり、内部の商品だけが見えたりする仕掛けです。

パターンが描かれた柱を精密に配置することにより、視点を変えることでまったく異なる景色を生み出し、ひとつのウィンドウは、動くたびにサプライズをもたらします。

商品が見え隠れするために綿密に計算されたデザインに、色彩やパターンのコントラストが加わることにより、ストライプの柱は時に面へと変容し、強烈な視覚効果を放ちます。同じ手法を用いた16個の小窓も、それぞれ個性の異なる視覚効果を生み出し、ウィンドウの前を動くことによりひとつのウィンドウのさまざまな表情を楽しむことができます。

原 研哉 (はら・けんや)
1958年生まれ。グラフィックデザイナー、日本デザインセンター代表、武蔵野美術大学教授。「もの」のデザインと同様に「こと」のデザインを重視して活動中。その活動はグラフィックの分野にとどまらず、企業のアートディレクションなども担当している。また『RE DESIGN』、『HAPTIC』、『SENSEWARE』など価値観を更新していくキーワードを擁する展覧会を数多く手がける。近著『Designing Design』、『白』は世界各国語に翻訳され多くの読者をもつ。

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