エミール・エルメス賞2011 開催のご案内

エミール・エルメス賞2011 開催のご案内
《応募受付》開始いたしました!!

エルメス財団主催によるデザイン・アワード『エミール・エルメス賞』は、第2回開催にむけ、全世界のデザイナーの方々、デザインを志される方への応募を開始いたしました。
『エミール・エルメス賞』は、同時代の造形美術をサポートする活動の一環として、3年に1度の開催を掲げ、2008年、財団発足と同時に第1回目を迎えました。ヨーロッパ諸国のみを対象としていた前回から、第2回の2011年は、審査委員長に世界的に活躍する建築家、伊東豊雄氏を迎え、日本を含む全世界へと参加地域を広げ、オンラインでインターナショナルに展開いたします。

『エミール・エルメス賞』は、40歳以下の造形美術やデザイン分野で活躍をする方々に開かれたアワードで、将来を担うデザイナーに、今後の活躍の場を広げるきっかけとなることを目的として設立されました。各エントリーは、二つの視点から吟味されます。
「オブジェの機能面、デザインの革新性」「環境保護への配慮」です。

本年度のテーマは「HEAT, ME-HEAT, RE-HEAT(熱する、暖まる、温め直す)」。
歴史をさかのぼること40万年ほど前、人類が最初に炉を構えたころより人間は社会生活を歩むようになりました。火は夜に光を与え、冬に夏の暖を与え、人類が移住できる場所を増やしました。その後、火は食料の煮炊きや道具の製作に使われるだけでなく、熱としてエネルギー源として我々の生活環境にどれだけ貢献したことでしょうか。このテーマをめぐり、多くの若きデザイナーのオリジナルで新鮮な発想を、募集いたします。

2011年は、作品コンセプトやテーマへの深い考察はもちろんのこと、現代から未来へと繋がる社会のニーズに呼応し、地球環境への配慮までをも含んだデザインを歓迎いたします。従来のエルメスならではの手作業や専門的な工業技術への深い理解に加えて、今回は制作・流通の段階での環境に優しいアプローチも評価の対象としてゆく所存です。


エミール・エルメス賞2011 募集概要 

テーマ
 HEAT, ME-HEAT, RE-HEAT 熱する、暖まる、温め直す

賞金
一等賞 ————————————-  50,000ユーロ
二等賞 ————————————-  25,000ユーロ
三等賞 ————————————-  15,000ユーロ

スケジュール 
2010年9月15日(水)~11月30日(火)—–  オンライン(http://www.prixemilehermes.com)申込受付
  エントリーには 個人応募、グループ(5人まで)の受付があり、下記の資料のデータ添付が必須です。
  ①履歴書(英語) ②身分証明書(パスポート、免許証、保険証など) ③住民票 ④ 学生証(在学証明書)
  ④は学生のみ、②③は原文の添付(日本語のまま)で結構です。
       
2010年12月1日(水)~2011年2月15日(火) —————  企画・デザイン提出(オンライン)
  下記の資料のうち、①と③は必須項目です。資料は必ず既定サイズ内でご応募ください。
  ①コンセプトシート A3サイズ2シート (最大容量:4MB データ形式: PDF)
  シート1:全体コンセプト シート2:パース画、図面、製作工程、素材、色など
  ②①の参考資料として1分30秒までの動画の添付も可能です。必須項目ではありません。
   (最大容量:10MB、 データ形式:MPG,MOV,FLV,AVI)
  ③過去の作品資料 A3サイズ3シートに3作品、あるいは3つのプロジェクトの紹介
   (最大容量:2MBデータ形式: PDF)

プロのデザイナーの方は、既に発表されたか製作されたプロジェクトに限ります。
またグループでの応募の場合は、過去の資料も同じグループメンバーにて製作されたものに限ります。

2011年3月中旬 ————————————-  審査員による最終候補作品選考会議
2011年3月31日(木) ———————————  最終選考作品の発表 
2011年4月1日(金)~6月30日(木)———————–  プロトタイプ(試作品)制作
2011年6月30日(木) ———————————- プロトタイプを財団に送付(必着)
2011年7月 ——————————————- プロトタイプの最終審査会議
2011年10月 —————————————— 受賞作品発表

応募資格
(* 応募者は2010年11月30日現在の年齢が40歳以下(40歳含む)の方々に限らせていただきます。)
・ デザイン、工学、建築、美術、工芸、工業デザインの専門学校または学部を卒業したプロのデザイナー
・ 上記の専門学校または学部以外の出身で、デザイン分野で3年以上の実績を有するプロのデザイナーまたはエンジニア
・ デザイン、工学、建築、美術、工芸、工業デザインなどの修士課程の最終学年に在籍する学生

審査員
伊東 豊雄 建築家(日本) 審査員長
ユルゲン・ベイ デザイナー (オランダ)
メル・バイアーズ  デザイン史家 (USA)
ピエール・アレクシィ・デュマ エルメス財団会長、エルメス・インターナショナル アーティスティック・ディレクター (フランス)
フランソワーズ・ギション  学芸員、 パリ ポンピドゥ・センター デザイン部長 (フランス)
シャンタル・アメイド 『アントラミュロス』誌 編集長 (フランス)
パスカル・ミュサール エルメス財団副会長、『petit h』 アーティスティック・ディレクター エルメス・インターナショナル(フランス)
ベルナルド・ナヌー  エンジニア エコール・セントラル・ドゥ・パリ教授 産業工学研究所 副所長 (フランス)


選考基準

- 企画の品質 (コンセプトの明瞭さ、ディテール、完成度)
- テーマおよび仕様の順守
- 創造性、オリジナリティー、革新性、審美性
最終選考では、プロトタイプの品質も考慮されます。


ご注意

・エントリーフォーム、応募資料など、詳細は、以下の公式ウェブサイトをご覧ください。
・応募資格、基準を満たしていない書類は、審査の対象外となります。
・応募は、「エミール・エルメス賞」公式HP(英・仏のみ)にてご応募者の方々に直接行っていただきます。http://www.prixemilehermes.com
・応募作品はオリジナルの新作品のみとなります。
・オンライン上の応募日程は全てパリ時間とします。 例)11月30日まで:11月30日パリ時間 夜12時まで
・審査と授賞式の日程は変更されることがありますが、ご了承ください。

テーマ
第2回エミール・エルメス賞は、普遍的でかつ人類史には欠かせない火、熱をめぐり、「HEAT, ME-HEAT, RE-HEAT 熱する、暖まる、温め直す」をテーマとしました。

火を支配することは、どの時代においても、人類の挑戦でした。歴史をさかのぼること40万年ほど前、人類が最初に炉を構えたころより人間は社会生活を歩むようになりました。火は夜に光を与え一日を長くし、熱は冬に夏の暖を与え、人類が定住できる場所を増やしました。
炉は暖を取る源であり、よりよい生活条件、衛生的な調理された食物と道具製作の改善などをもたらしました。

19世紀から20世紀にかけて、飛躍的なテクノロジーの進歩とともに、人類は熱の取り扱いに関して大きな飛躍を遂げました。プロメテウスが天上の火を盗んで巨岩に縛りつけられた時代から、我々は、必要に応じて自分たちで熱を作り出す方法を知り、今や火は燃焼だけでなく、摩擦、融合、分裂、化学反応などを通じて利用できるようになったのです。また、それだけではなく、人類は自然界に存在しているエネルギーを取り出して利用することも始めました。水力や風力を使った発電の技術は、現代の地熱エネルギー、バイオガス、太陽熱の利用へ発展するのです。

熱を利用する『もの・製品』
何世紀にも渡って、人間は創意工夫により、エネルギーを生み出す新しい方法を見出し、また、「熱し、暖まり、温め直す」ことを意図した新しいものを創造してきました。熱の応用と利用方法は、終わることなきテーマなのです。エネルギー問題は、最先端のものから非常にシンプルなものまで、全て、地理学や世界経済といった大きな問題から、我々のライフスタイルといった日常にまでつながっているのです。加熱、調理、衛生や殺菌、また医学やスポーツにまで、熱は、さまざまな局面で、重要な役割を果たしています。

地球規模での課題
最も原始的なものから、最先端のテクノロジーまで、生命に不可欠な要素である熱は、一貫して人類の研究対象でありました。また、エネルギー源の支配は、地政学に密接に関わっている争点でもあります。
第2回エミール・エルメス賞のテーマである「熱する、暖まる、温め直す」は、ヒューマニズムについて、またライフスタイルやデザインへの考察といったこれらの課題を含んでいます。
まもなく80億人にも達するといわれている人類が地球与えるダメージを少しでも減らしてゆくためにも、この課題に対する応募者の皆様の新鮮な発想、提案をお待ちしております。

デザインの仕様
未来に向けた提案
デザイン対象は機械、用具、家具、建築部品などに限り、ファッションや衣類は対象外です。
テーマに基づいた明確なコンセプトを持ち、高品質であるだけでなく、機能について入念に考慮されたもの。
既存の日常品の未来形への提案や、複数の機能を持つもの、年月を重ねる中でプロダクトに新たな機能や使用方法が付加されるようなデザインも歓迎します。

生産手段を熟考した独創的なプロジェクト
応募作品は優れた機能を持ち、基本的な技術にて製作されるものとします。簡潔で高精度の生産プロセス、また全く新しい方法論での生産手段も歓迎いたします。「シンプルな現代性」を追求してください。最先端のテクニックを使用する場合は、ユーザーにとって使いやすいことが大前提となります。

恒久的なアプローチとプロセス
応募作品の制作プロセスは環境問題を念頭においたものとし、その理由や工夫をプレゼンシートに記入してください。特に、再生不可の天然資源の使用は避け、必要なエネルギー源についても言及してください。また、生産にあたっては、環境へのダメージを最小限にし、各土地で入手可能な資源を利用できることが望ましいです。各エントリーは、製品のライフ・サイクルも考慮にいれた、エネルギープランの分析も課題となります。

実用性を持ち、プロダクト化できるもの
応募作品は、工業生産によるマス・マーケット向けであっても、伝統工芸のテクニックを用いた小さなマーケット向けであっても、プロダクト化が可能なものとします。1点物、実現不可能なデザイン、あるいは、ドリームプランは除外されます。

適用の範囲
応募作品は、日常生活(インドア・アウトドア)、室内外のスペース、及び非常時や人道的な目的で使用するものとし、上記の機能のうちのひとつ、あるいは全てを満たしているものに限ります。
エルメスのロゴの使用や製品のコピーは不可とさせていただきます。

Copyrighted Image