馬術をアルファベットで – ハウスインダストリーズ

【タイトル】馬術をアルファベットで
【アーティスト名】 ハウスインダストリーズ
【期間】 2011年11月15日~2012年1月17日

華やかなハーレクイン柄の壁紙を背景に、コミカルに動く「H」と馬。よく見ると、馬のシルエットは「HERMES」のアルファベットでできています。

2011年最後のウィンドウディスプレイを手がけたのは、アメリカ人のグラフィックデザイナー、ハウスインダストリーズ。個性的なタイポグラフィー(書体)を生み出すのが大得意の彼らの手にかかれば、「HERMES」の文字もまるでオブジェのように優雅に動き出します。

たおやかで気品あるアルファベットは、パリの街角で見かける有機的なタイポグラフィーからインスピレーションを得て、彼らの手で一文字ずつ描かれました。立体的なアルファベットは、独特の赤みのあるアメリカ原産の無垢の杉を使い、地元の職人が時間をかけて制作したもの。表情豊かな木の質感を生かした木彫は幾何学的なハーレクイン柄の背景に浮き立ち、まるで回転木馬のようなリズミカルな動きを際立たせています。

小窓にはアルファベットが一文字ずつ住まい、商品が文字と戯れるようにディスプレイされています。一見、独立したアルファベットですが、商品の名前を声に出して読んでみれば、そのつながりがわかるはず。

かつては、タイポグラフィーもひとつひとつ手描きでまるで絵画のように作られていました。職人の手で作られ印刷物を媒介にわれわれの目に触れるというプロセスは工芸品そのもの。「現代に生きるアルチザン」の最後を飾るウィンドウで、エルメスの商品とタイポグラフィーという、普段交わることのない二つの手仕事のコラボレーションをお楽しみください。

HOUSE INDUSTRIES(ハウスインダストリーズ)
1993年にアンディ・クルーズとリッチ・ロートによって設立。ハウスインダストリーズは多種多様な書体のコレクション、手製のアートワークとプロダクトデザインで世界的に広く知られている。最近ではミッドセッチュリーを代表するデザイナーである、イームズ・オフィスとのコラボレーションをはじめ、プロダクト、家具、テキスタイルのデザインなど、タイポグラフィーの枠を超えて様々な分野での活躍の場を広げている。

■過去のウィンドウ・ディスプレイ一覧

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