エミール・エルメス賞 2011 受賞作品発表

2011 年10 月18 日、エルメス財団主催によるデザイン・アワード『エミール・エルメス賞2011』の審査委員長を務める建築家、伊東豊雄氏とエルメス財団会長のピエール= アレクシィ・デュマ(Pierre-Alexis Dumas)氏により、今年度の受賞者が発表されました。

– 一等賞:アルノー・ル・カ(Arnaud Le Cat)氏、エステール・バコ(Esther Bacot)氏、リュテール・ケナム(Luther Quenum)氏(フランス、デザイナー集団「Unqui Designers」)/「Shelved Cooking」:省エネ調理台

– 二等賞:ダニエル・アーベントロート(Daniel Abendroth)氏、アンドレアス・マインハルト(Andreas Meinhardt)氏(ドイツ)/「H-Agent」:余剰エネルギーを自動的に検出して蓄積し、より気温の低い場所を暖めるポータブル式暖房器具

– 三等賞:ヤール・フェルネーウス(Jarl Fernaeus)氏(スウェーデン)/「Ecojoe Stove」:燃料消費を低減し、新興諸国での森林破壊や環境汚染を抑制する高エネルギー効率のオーブン

なお、今回はどの応募作品も非常に質が高かったことから、審査委員会は特別賞を新たに設けました。この特別賞は、変換効率の高い太陽光発電技術を利用し、1世帯あたりの電力需要量の40%を供給できるという建築モジュール「Light Farm」をデザインした、モフセン・サレハ(Mohsen Saleh)氏とセイエド・アブドルナセル・タガヴィ(Seyed Abdolnasser Taghavi)氏(イラン/イタリア)に授与されました。

財団発足年の2008 年に始まり今回が第2 回目となる『エミール・エルメス賞』は、3 年に1 度開催されるデザイン・アワードです。主催者であるエルメス財団は、このデザイン・アワードが、若きデザイナーたちの新たな一歩となることを願っています。今回、「HEAT, ME-HEAT, RE-HEAT(熱する、暖まる、温め直す)」という普遍的なテーマを採用し、人類や環境により優しい社会づくりを目指す、未来に繋がる国境を越えたアプローチを奨励しました。このアプローチでは、特にエネルギー消費の効率化が主な地政学的課題となります。今回のアワードでは、この点を十分に理解し各々の発想へと昇華させた参加者が集まりました。 公式ウェブサイト www.prixemilehermes.com では、受賞者を含む12 人の最終候補者の作品を、動画や解説を伴いインタラクティブかつダイナミックに展示しています。このオンライン上の展覧会は2011 年10 月18 日より、次回の『エミール・エルメス賞』が開催される2014 年まで公開いたします。

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