【タイトル】 ラインダンス
【アーティスト名】 小粥丈晴
【期間】 2007年9月20日（木）～11月20日（火）
・・・居眠りをしている間に誰かが忍び込んだようです。部屋のあらゆるところに仕掛けが巧妙に仕込まれています。何のためのもくろみかはわかりませんが、それらはすべてエルメスの商品。犯行はおそらく Mr. Hの仕業でしょう。もはや仕掛けは部屋の中を走り抜け、夢の中まで侵入してきています・・・。
整然と並ぶドミノが印象的な今回のウィンドーは、アーティストの小粥丈晴の手によるものです。ドミノが並んで倒れていく様は、ラインダンスに着想を得ています。その背景に据えられたのは、日常的な女性の部屋。部屋で何も知らずにくつろぐ女性と、いつのまにか仕込まれたドミノや仕掛けの数々が想像力を掻き立てます。誰がドミノを仕掛けたのか、ドアが開いたらどうなるのか・・・？
ドアが開けば傘が倒れ、瞬く間にドミノが倒れ始めます。床のドミノが倒れると、中央のマッチが着火し、糸が燃えてドミノ倒しは右のウィンドーへ。棚の上に微妙なバランスで並べられたエルメスの商品も次々に倒れていきます。仕掛けは小窓の商品をも通り抜けて、最終的には左のウィンドーのドアの裏側に出る、というストーリーです。
ちょっとした力が加わるだけで、瞬く間に崩されてしまう巧妙な仕掛けと、そんな仕掛けがあることも知らずに居眠りを続ける女性。さまざまな仕掛けが動いたときのことを想像しながら眺めるのも楽しいウィンドーです。
アーティスト：Takeharu Ogai 小粥丈晴
1969年千葉県生まれのアーティスト。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。97年から雄川 愛とのユニットで活動。02年「エモーショナル・サイト」（佐賀町食糧ビル）、「Private Luxury」（萬野美術館）などに参加。04年、メゾンエルメス8Fフォーラムで小粥丈晴として初の個展「泉への道」を開催。