コンサートが終って・・・ – コンスタンティン・グルチッチ

【タイトル】 コンサートが終って・・・
【アーティスト名】 コンスタンティン・グルチッチ
【期間】 2007年7月19日(木)~9月18日(火)

2007年初秋のメゾンエルメスのウィンドーは、インダストリアル・デザイナーであり、昨年のフォーラムでの展覧会「木村伊兵衛のパリ」展で空間デザインを手がけた、コンスタンティン・グルチッチによるものです。

ライブ終了直後の、興奮と感動の余韻が残るロックコンサート会場。
グルチッチはエルメスの2007年のテーマ 「さあ、踊りの輪に!」の焦点である 「ダンス」 を 「音楽」のもつグルーヴとしてとらえ、ライブが終った直後の興奮冷めやらぬ会場と余韻に浸る観客をシルエットで再現しました。

メゾンエルメス正面入口の左右ウィンドーにはステージが組まれ、その上にはバンドメンバーが残していったジャケット、ネクタイ、グラス、鞄などのアイテムが無造作に置かれています。一方アンコールを求めて手を振り続ける観客の腕には腕時計やブレスレットが着けられ、これらの商品がステージと観客の一体感を表現しています。バンドが立ち去った後の静かなステージと、アンコールを叫ぶ観客の対比が商品のディスプレイでも表現されています。小窓ではロックのサウンドと歴史を想起させるレコードジャケットを背景に、商品がまるでジャケットの一部のようにディスプレイされています。

ステージと観客が一体となった直後の瞬間が、ライブの熱気ごと封じ込められた今回のウィンドー。音楽を通じてメンバーと観客が共有した情熱は、ライトを浴びて輝き続ける商品となってその姿を残しています。

Konstantin Grcic (コンスタンティン・グルチッチ)
1965年ドイツ・ミュンヘン生まれのインダストリアル・デザイナー。イギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートにてデザインを学ぶ。同年ジャスパー・モリソンの事務所に勤務。91年ミュンヘンに戻り「コンスタンティン・グルチッチ・インダストリアルデザイン」を設立。多数の世界的企業から作品を発表。98年にフロスより発表された「メイデイ」はニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久コレクションになっている。

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