描かれたものがたり – アルフレッド・ハベリ


【タイトル】 描かれたものがたり
【アーティスト名】 アルフレッド・ハベリ
【期間】 2010年3月18日~5月18日

―むかしむかし、あるところにひとりのデザイナーがいました。彼は一生に一度、日本という国を見てみたいと思っていました。陽の出ずる国のものがたりを読んだり、人々から話を聞いたりして好奇心を満足させてみますが、日本への憧れは募るばかり。ある日彼は思い立って、日本に手紙を書くことにしました。日本への想いを込めて。未知の国の誰のもとに届くのでしょう・・・。

それから月日が流れ、手紙のことも忘れかけていた彼のもとに一通の招待状が届きます。開いてみると、それは紛れもない日本からの招待状でした。長年の夢がついにかなう日が来たのです。初めて足を踏み入れる日本という土地。彼は期待で胸をわくわくさせながら招待状の送り主のもとへと歩きます。ようやく指定された場所に着いた彼が目にしたものは・・・。むかし自分が送った手紙でした。その手紙は、床の間にある軸のように飾られ、日本の人々の目を楽しませていたのでした。―

2010年のエルメスの年間テーマは「語りつがれる“ものがたり”」。今回のウィンドウでは、スイス人デザイナー、アルフレッド・ハベリの生み出すものがたりが展開されます。一枚の大きな紙から飛び出した小人たちが、春の訪れとともに真新しいエルメスの商品を抱えてやって来ました。1枚の紙だけで作られるシンプルなウィンドウ。小人たちの生命力あふれる表情と、色鮮やかなエルメスの商品に彩られ、観る人たちにさまざまな春の「ものがたり」を想起させてくれるでしょう。

Alfredo Haeberli (アルフレッド・ハベリ)
1964年アルゼンチンのブエノスアイレスに生まれ、スイスへ移住。建築を学んだ後、デザインの道に。チューリッヒを拠点に、プロダクトから家具、インテリアなどの幅広いデザインを手がけ、世界的に活躍している。

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