雨奇晴好 – ミヤケマイ

【タイトル】 雨奇晴好
【アーティスト名】 ミヤケマイ
【期間】 2007年5月17日-7月17日

 

5月の象徴ともいえる鯉。今回のウィンドーでは、厳しい滝を昇った鯉だけが出世して龍になるというおめでたい登竜門の話と、竜の絵を描いた中国の絵描きが最後の仕上げの竜の目を描き忘れ、後であわてて目を描き入れると竜が絵から抜け出て飛んで行ってしまうという画竜点睛の話を組み合わせて表現しています。

寄り付き風に、茶道具に見立てられたエルメスの商品が並ぶ左のウィンドー。床の間に見立てて掛けられた掛け軸の昇竜の絵からは龍が抜け出しています。軸の一文字と風帯に使われたスカーフ “Vie du Fleuve” は、黄河の川の流れを表現しており、左から抜け出した龍が右のウィンドーに抜け出る通過点の意味をもちます。梅雨の時期、雨、風を操る聖獣である龍は、エルメスのシンボルである馬に見立てられて鞍を載せ、手にしたエルメスの商品を風になびかせながら、笛にあわせて踊っています。

平面から三次元に飛び出した龍。そこに配された商品も、静寂な空間から屋外へと飛び出して踊り、静から動へのエネルギーを感じさせます。同時に、紙細工の龍、瓦葺の屋根などの日本的な手仕事と、職人技の結晶であるエルメスの商品との共演も実現しています。

ミヤケマイ 
横浜生まれ。独学。2001年から作家活動を開始。渋谷 Bunkamuraギャラリー、銀座村越画廊、ラフォーレミュージアムなどでの画廊活動に始まり、2005年からは水戸芸術館、上海多倫現代美術館、アートフェア東京、東美アートフェアなど美術館、アートフェアでの展示を中心に活動している。

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