〈特別展〉フランシス・アリス展


《川に着く前に橋を渡るな》2008、ジブラルタル海峡、Photo: Jorge Golem

メトロポリスを歩く、海峡を渡る。
世界は歩くことから見えてくる。

建築家としてスタートしたフランシス・アリス(1959年ベルギー生まれ)は、1980年代にメキシコに移り住んでから美術家としての活動へと移行していきました。街の中を歩き回り、アクションを行い、これをドローイング、絵画、映像、写真など、多様で横断的な方法によって作品へと作り上げていきます。アリスが試みた、1日中大きな氷の塊を押し続ける、竜巻の中に飛び込む、といった子どもの遊びのような行為は、大変な労力を費やしてもそれが報われない社会の矛盾や不条理を浮かび上がらせます。
本展はアリスが移り住んだメキシコシティを舞台に、アーティスト自身が様々なアクションを行った初期の代表作の数々から、ヨーロッパとアフリカを隔てるジブラルタル海峡を、2つの大陸双方から渡る子どもたちの列によって橋のように繋ごうと試みた壮大な新作プロジェクトまで、アリスの果敢な実践を本格的に紹介します。
具体的なアクションによって社会的、政治的な問題を反映させ寓話化していくアリスの手法は、高い国際的評価を得てきました。詩的で親しみやすい物語の力によって、作品は多くの人が共有出来る普遍的なテーマを帯びています。歩くことから世界を見つめ、日常の中から物語を紡ぎ出すアリスは、現実のジレンマに対しても、新たな打開へとうながす想像力の豊かな可能性を私たちに気がつかせてくれます。

:::::: 展覧会の詳細は美術館ウェブサイトをご覧ください ::::::
https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/alys/

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会期 2013年10月26日(土)~2014年1月26日(日)
開館時間 10:00〜17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日 月曜日 ※ただし祝休日の場合は開館し、翌日休館

関連プログラム

●キッズ・ワークショップ「世界中に橋をかけよう」
紙や割り箸などを使って橋を作り、大きな世界地図の上で様々な国の間にかけていきます。
※14:00からピニャータ割りを行います。
日時:2014年1月11日(土)開館時間中
会場:エントランスホール
※参加無料、申込不要

●学芸員によるギャラリー・トーク
担当学芸員が展示室を回りながら作品の解説をします。
日時:2014年1月19日(日)14:00〜15:00
※要展覧会チケット、申込不要


《コレクター》1990-92、メキシコシティ、フェリペ・サナブリアとのコラボレーション、Photo: Ian Dryden


《実践のパラドクス1(ときには何にもならないこともする)》1997、メキシコシティ、Photo: Enrique Huerta


《トルネード》2000-10、ミルバ・アルタ、Photo: Jorge Golem

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