〈特別展〉靉嘔 ふたたび虹のかなたに


《オープニング》1992

前衛アーティスト靉嘔の全貌に迫る展覧会。

様々な表現メディアを横断する前衛的な創作活動で知られる靉嘔(1931〜)。1950年代に既存の権威主義や美術団体を批判して結成されたデモクラート美術家協会に参加し注目を集めた後、1958年に渡米し、ジョージ・マチューナスが主唱する前衛芸術運動フルクサスに参加しました。ニューヨークでの創作活動を通して靉嘔は様々な表現に挑戦します。美術家や音楽家、詩人といった異なるジャンルの表現者たちが交わる「イヴェント」と呼ばれるパフォーマンスへの参加や、希少性を排除して多くの人が手にすることの出来る「マルティプル」作品の制作、「エンヴァイラメント」と呼ばれる周囲の環境を取り込んだインスタレーションなどを次々と発表します。そして、線で描くことや構図を用いるという表現手法から脱却し、色相による表現に目覚めると、光のスペクトルの順にストライプで描く手法に取り組みました。絵画や版画、立体などの多様なメディアに虹色を重ねる作品を生み出し、「虹のアーティスト」として国際的に評価されるようになります。
本展は、代表的な虹のシリーズの作品をはじめ、観客が直に体験できるインスタレーション、世界各地で行ったパフォーマンスやイヴェントのドキュメントなどの展示を通して、これまでの活動の全容を辿るとともに、靉嘔の前衛精神を紹介します。

:::::: 展覧会の詳細は美術館ウェブサイトをご覧ください ::::::
https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/ayo/

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会期 2012年11月3日(土・祝)〜2013年1月14日(月・祝)
開館時間 10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日 ※年末年始は、12月25日、12月27日〜1月1日は休館し、12月24日、1月2日・3日・14日は開館します

関連プログラム

[講演会]虹のかなたに行くまえに—デュシャン、フルクサス、靉嘔—
靉嘔について、敬愛するマルセル・デュシャンや前衛芸術活動フルクサスとの関わりから考察します。
日時:2012年11月10日(土)14:00〜15:30
講師:平芳幸浩(京都工芸繊維大学准教授)
会場:ミュージアムスタジオ
※参加無料、当日先着順80名、開場時間13:30

[パフォーマンス]虹の晩餐会
フルクサスのアーティストとして1960年代初頭からニューヨークで展開された数多くのパフォーマンスに参加した靉嘔が、日本初のパフォーマンス「バンクェット」を行います。
日時:2012年12月15日(土)18:00〜20:00
協力:ギャラリー360°
※参加費、会場、申込方法等の詳細は↓をご覧ください


《8:15 A.M.》1988 広島市現代美術館蔵


《フィンガー・ボックス・キット》
1963頃


《マイ・いっくに・フレンズ》2011

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