〈レポート〉夏のワークショップ・プロジェクト2011「カキカキ・キコキコ・ダダダダダ!」

毎年恒例となった、子どもから大人まで楽しめる展覧会「夏のワークショップ・プロジェクト」。
今回は、その様子を写真でレポートします。

今年のプロジェクトでは、地域や観客を巻き込む作品を多く発表してきたアーティスト・KOSUGE1-16による新作を発表。会場には、広島出身の画家・山路商(1903-1944)をモチーフとした大きな操り人形が登場し、子どもから大人まで多くのお客さんを楽しませていました。以下、実際に会場に掲げられている作家のテキストとともに、お楽しみください。

夏のワークショップ・プロジェクト2011「カキカキ・キコキコ・ダダダダダ!」
2011年7月16日(土)~9月4日(日)
http://www.hcmca.cf.city.hiroshima.jp/web/main/kakikaki.html

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マペット人形の画家さんは、60年以上前に比治山の麓にアトリエを持っていた山路商さんがモデルになっています。彼は「ダダイスト宣言」をして、あたり前の事を打ち破り、新しい事を追求していました。彼のアトリエには毎日沢山の芸術家が集まって、新しい芸術についての様々な議論をしていたそうです。そんな中、日本は戦争の時代に突入しました。山路さんは太平洋戦争開戦翌日に特高(特別高等警察)に逮捕連行されてしまいました。日本の国が自由な表現を快く思わない時代には、新しい表現しようとした人たちは大変苦労したそうです。山路さんは獄中で結核を煩い、釈放後まもなく亡くなってしまいました。
山路さんは比治山を題材にした作品も沢山描いていましたが、広島に原子爆弾が投下され、作品の数々は消失してしまいました。現在では、彼の代表作は殆ど残っていません。しかし、山路さんと互いに影響し合った多くの芸術家達がその後活躍しました。
今回の展示は山路さんのアトリエをイメージして作りました。ここは沢山の子どもたちが集まって、マペットの山路さんと紐を通じて対話し、皆で影響し合うアトリエです。マペットの山路さんは、アトリエに集まるみんなに操られ、前衛的なパフォーマンスと斬新なドローイングを披露しながら、子ども達が楽しく遊ぶ比治山を描いています。
正面の壁には絵の無い額が沢山掛かってますが、会期中にこの壁を、マペット山路商さんの新作で埋め尽くして下さい!
新作のサインはKKD(カキカキ・キコキコ・ダダダダダ)です。
あと、本物の山路商さんの自画像が1枚展示されていますよ。

KOSUGE1-16より

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