〈特別展〉ス・ドホ in between


《墜落星-1/5スケール》2008-2012
Courtesy of the artist and Lehmann Maupin Gallery, New York
© Do Ho Suh

アジア、そして世界との間で。韓流アーティストの挑戦。

活躍の場を世界に広げる韓国出身のアーティスト、ス・ドホは、異文化との折衝に身を置き、移動やそれに伴うアイデンティティーの変化をテーマに90年代半ばから布を使った建築的作品や、人型を用いた大型のインスタレーションを制作してきました。アジアの手工芸が持つ繊細さと、集合体のパワーが放つダイナミズムを備えた作品は、驚くほど精巧で、感嘆の声が上がるほど大掛かりなものです。本展は「移動と可動建築」、「ひとびとの力」の2部構成で、日本で初公開となる初期作品から近作まで、ス・ドホの活動を広く紹介します。

家族、伝統、民族などの出自を象徴する「家」をモチーフにした代表作では、軽やかな半透明の布や精巧に作られたフィギュアで、移動の時代の記憶、身体性、個人空間の概念などを視覚化します。さらに個と集団の関係性に目を向けるス・ドホは、パーソナルな視点から、文化、歴史、社会というパブリックなものを見つめていきます。日本のサブカルチャーから受けた大きな影響も見いだせるス・ドホの造形世界に本格的に迫る展覧会です。

:::::: 展覧会の詳細は美術館ウェブサイトをご覧ください ::::::
https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/doho/
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会期 2012年8月4日(土)〜10月21日(日)
開館時間 10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日 ※ただし、8月6日、9月17日、10月8日は開館、翌日は休館

関連プログラム 【《ブループリント》の下で】トークシリーズ

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展(2010年)で発表されたス・ドホの作品《ブループリント》の下で、ゲストを招いたトークシリーズを行います。
※要特別展チケット、当日先着順100名、13:30受付開始
※通訳あり(①、②のみ)

① ス・ドホ(アーティスト)
本展アーティストが制作について、空間への関心について語ります。
日時:8月4日(土)14:00〜15:00
聞き手:神谷幸江(広島市現代美術館)

② SO-IL:ジン・リュウ&フローリアン・イーデンバーグ(建築家)
2008年よりNYで活動。MoMA PS1若手建築家賞を受賞したユニットが、仮設空間の可能性を提案します。
日時:8月25日(土)14:00〜15:30
聞き手:神谷幸江(広島市現代美術館)

③ 三分一博志(建築家)
犬島アートプロジェクト「精錬所」をはじめとした自作についての講演です。
日時:10月20日(土)14:00〜15:30
聞き手:松隈洋(京都工芸繊維大学美術工芸資料館教授)


《ブループリント》2010
広島市現代美術館での展示風景 Photo:中尾俊之(CACTUS)
Courtesy of the artist and Lehmann Maupin Gallery, New York
© Do Ho Suh


《フロア》(部分)1997-2000
Courtesy of the artist and Lehmann Maupin Gallery, New York
© Do Ho Suh


《落下傘部隊-1》2001-2003
Collection of Danielle and David Ganek, New York
© Do Ho Suh

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