8.18 – 8.25
Travancore Palace （ニューデリー）
Sreshta Rit Premnath Surrender 2009 Digital C-print 101×228cm edition of 5
劇的な出来事が起こったとき、その一瞬だけが前後の脈絡から独立して浮かび上がり、人々の記憶に留まることがある。多くの場合そこには、政治、宗教、イデオロギー、あるいは哲学、心理学、認知学的な問題が分かちがたく潜んでいる。インド・バンガロール出身のアーティスト、Rit Premnathの写真作品『Surrender』は、ソマリアの海賊がアメリカの海軍から警告を受ける瞬間を切り取り、三連祭壇画のように再構成したものだ。それはちょうど、ひとつの出来事が史実として残り、時代や社会背景を受けてその見方を変えられながら語り継がれていく様子に似ている。トーマス・エルベンギャラリー（ニューヨーク)とセブン・アート（ニューデリー）の共同企画による今回の展覧会には、ブラジル、カナダ、ドイツ、インド、イラン、パキスタン、アメリカから13のアーティストが参加。そのうち多くが南アジアからの移民だ。