今夏、大竹伸朗のプロジェクトが同時開催


Time Memory 14 (2012) Courtesy the artist and Take Ninagawa, Tokyo

第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展の企画展『エンサイクロペディック・パレス』への参加が先日発表された大竹伸朗によるプロジェクトが、今夏、香川県内でも同時開催される。

先に発表された第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展企画展『エンサイクロペディック・パレス』は光州ビエンナーレ2010のアーティスティックディレクターと同じ、ニューヨークのニューミュージアム、アソシエイトディレクターのマッシミリアーノ・ジオーニがキュレーションを担当する。光州ビエンナーレでも展示された、大竹の代表作のひとつであるスクラップブックを、光州以降に新たに制作した3冊を含む全66冊を出品する。大竹は光州ビエンナーレ、ドクメンタ13(2012年)に続いて3回目の国際展参加となる。

一方、国内では香川県でふたつの個展の開催と、新たなコミッションワークが発表になる。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で行なわれるのは新作を中心とした『ニューニュー』展。ドクメンタ13で新作として発表された「MON CHERI: A Self-Portrait as a Scrapped Shed (モンシェリ : 自画像としてのスクラップ小屋)」(2012年)を、そのドローイングと併せて美術館内で見せる他、現在制作中の新作彫刻や、2011年より取り組んでいる平面作品など、大竹の現在進行形を見せる。
高松市美術館では、『ニューニュー』展と対応するような形で、テーマ別に作品を見せる回顧展『憶速』を開催。記憶の速度と創作の関係性を大きな軸にした展示構成となる。代表作である「ダブ平&ニューシャネル」(1999年)他、初公開となるスケッチブックや、手製本も展示する。
女木島では『瀬戸内国際芸術祭2013』に合わせて新たなコミッションワーク「女根」が公開されている。女木小学校の中庭に展開される作品は、アジア特有の湿気を持った風土と植物の生命力をヒントに、女木島に生息するヤシなどの植物を使い、中庭を大竹独特の世界へと誘う。「家プロジェクト『はいしゃ』舌上夢 ボッコン覗」、「直島銭湯『I ♥湯』に続き、瀬戸内海の島における3つめのコミッションワークとなる。

第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ
2013年6月1日(土)-11月24日(日)
http://www.labiennale.org/

大竹伸朗展 『ニューニュー』
2013年7月13日(土)-11月4日(月)
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
http://www.mimoca.org/

大竹伸朗展『憶速』
2013年7月17日(水)-9月1日(日)
高松市美術館
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kyouiku/bunkabu/bijyutu/

瀬戸内国際芸術祭2013 —アートと島を巡る瀬戸内海の四季—
夏会期:2013年7月20日(土)-
大竹伸朗「女根/めこん」

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連載|大竹伸朗 夢宙

(文中敬称略)

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