第7回恵比寿映像祭、テーマ及び参加アーティスト一部発表

2014年10月16日、第7回恵比寿映像祭の開催概要が、東京都、東京都写真美術館、東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)、日本経済新聞社によって発表された。今年度は、これまでメイン会場として使用してきた東京都写真美術館の大規模改修工事による休館に伴い、恵比寿ガーデンプレイスと日仏会館をはじめとする恵比寿に点在する複数の会場で開催する。

恵比寿映像祭は、2009年以来、「映像とは何か?」という問いに対して、毎年ひとつのテーマを掲げ、展示、上映、ライヴ・イヴェント、トーク・セッションなど多様な形式で展開している(2008年にはプレ・イヴェントとして『映像をめぐる7夜』が開催された)。今回発表されたテーマは「惑星で会いましょう」。メディア・テクノロジーの浸透により、人工衛星からリアルタイムで地球の映像をみることが可能となる一方で、世界の全貌をとらえることが、ますます困難となる現在において、時空を超えた体験をもたらすものとしての映像を通して、複層化する世界に向き合い再発見する手掛かりを探求する。「視点を変える」ことをキーワードに、未知の惑星を訪れるように、現前する世界を新たな視点で探検し直す契機とツールとしての映像、新たな観点をもたらすものとしてのアートの可能性を問い直し、世界にアクセスする今日的な方法を探っていく。

第2回以降は、記録や日記としての映像をきっかけに公/私の関係性を考察した第5回「パブリック⇄ダイアリー」や、映像の要素のひとつであるとともに象徴的な意味を内包するカラー(色)に着目した第6回「トゥルー・カラーズ」など、核となるテーマを設定してきたが、今年度は、展示会場の点在という機会を活かして、共同ディレクション体制をとり、多角的かつ複合的な構成で恵比寿映像祭の基本姿勢である「オルタナティヴ・ヴィジョンズ」を探求していく。


Above: パヴェウ・アルトハメル「共同作業」2009年[参考図版] Courtesy the artist, Foksal Gallery Foundation, Warsaw, Open Art Projects, Warsaw and neugerriemschneider, Berlin. Middle: 鈴木光「Mr. S&DORAEMON」2012年. Below: マリオ・ペイショット「限界」1931年

出品予定作家の一部も発表されており、展示プログラムでは、家族や友人らとともに金色の衣装をまとい、社会に介入していくプロジェクト「共同作業[Common Task]」などで知られるパヴェウ・アルトハメルや、2011年から2012年にかけて国内美術館3館を巡回する個展を開催したホンマタカシのほか、インタビューを基に制作した映像作品で知られる鈴木光や映画制作や出版など領域横断的に活動する佐々木友輔といった1980年代生まれの作家による展示形式の発表を予定。そのほか、上映プログラムには実験映画の先駆的作家ケン・ジェイコブスやブラジル映画史に残るサイレント映画『限界』で知られるマリオ・ペイショット、『アラブ・エクスプレス展』や『LOVE展』(ともに森美術館)に参加しているアデル・アビディン、90年代半ばから一貫して8ミリフィルムで制作活動を続ける栗原みえ、恵比寿ガーデンプレイス センター広場を中心に行なわれるオフサイト展示には、映画監督の瀬田なつきが発表されている。

第7回恵比寿映像祭「惑星で会いましょう」
2015年2月27日(金)-3月8日(日)
http://www.yebizo.com/
会場:ザ・ガーデンホール、ザ・ガーデンルーム、日仏会館ホール・ギャラリー、恵比寿ガーデンプレイス センター広場、恵比寿地域文化施設及びギャラリー、ほか
開催時間:10:00-20:00(最終日は18:00まで)
会期中無休
入場無料
※上映、ライヴ、レクチャーなど、定員制のものは一部有料

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