ラファイエット賞、マルセル・デュシャン賞 2010年の受賞者発表


Installation view of Neue Alte Brücke’s booth at the Cour Carrée du Louvre.

2010年10月21日、パリの現代美術国際フェア(FIAC)で2010年のラファイエット賞受賞者が発表された。FIACの公式パートナーであるパリのギャラリー・ラファイエット百貨店がスポンサーとなり創設された若手ギャラリーのためのラファイエット部門には、今回16のギャラリーが参加。その中からフランクフルトのギャラリー・ノイエ・アルテ・ブリュッケのブースで出品されたモラグ・カイルへの授賞が発表された。1985年エジンバラ生まれでロンドンを拠点に活動するカイルには、同百貨店による作品購入と、2011年秋にパレ・ド・トーキョーで個展開催の機会が新作の制作費と併せて与えられる。カイルは現在、オーストリアのグラーツにあるメーディエントゥルム美術協会でのグループ展『The Smart Frrridge: Chilly Forecast for Internet Fridge』への参加を控えている(12月11日から2011年2月19日まで)。なお、イギリス人のオーナー、マーク・ディッキンソンが2007年に設立したノイエ・アルテ・ブリュッケは、今回が初めてのFIACへの参加となる。今夏に開催された「アート41バーゼル」では、サイモン・フジワラによるプレゼンテーションで、2010年バロワーズ・アート賞を受賞するなど、注目のギャラリーである。

また、2010年10月23日、2010年のマルセル・デュシャン賞の受賞者も発表された。2000年にフランス現代美術国際化推進会(ADIAF)によって設立されたこの賞は、フランス国内のコレクターが選出する若手作家へ、賞金とパリのポンピドゥー・センターでの個展開催の機会とその予算が与えられる。2010年の受賞者は、1980年パリ生まれでベルリンを拠点に活動するシプリアン・ガイヤール。FIACではパリのブガダ&カーニェル(コズミック・ギャルリー)とベルリン/ロンドンのスプリュート・マーガースのブースが作品を出品。日本でも現在、10月31日まで開催中のあいちトリエンナーレ2010にて名古屋市郊外で撮影を行なったビデオ作品「Towards an ethic for the built environment」(2010)を発表している(愛知芸術文化センター)。

(文中敬称略)

ニュース
現代美術国際フェア「FIAC2010」がパリで開催(2010/10/21)

フォトレポート
FIAC 2010 – Cour Carrée du Louvre part 1
FIAC 2010 – Cour Carrée du Louvre part 2

FIAC: Artists nominated for the 2010 edition of the Marcel Duchamp Prize
http://www.fiac.com/marcel-duchamp-prize.html?lg=en

ADIAF: The Marcel Duchamp Prize
http://www.adiaf.com/english/

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