マルセル・デュシャン賞2015


Melik Ohanian Hidden (2005) Installation view from LIVING WITH VIDEO at The Pavilion Downtown Dubai, 2012

2015年10月24日、フランス現代美術国際化推進会(ADIAF)はパリ市内のグラン・パレにて、今年のマルセル・デュシャン賞をメリック・オハニアンに授与すると発表した。オハニアンには賞金35,000ユーロ(約465万円)と来夏のポンピドゥー・センターでの個展の機会及び制作費支援が与えられる。オハニアンのほか、ダヴィデ・バルラ、ニール・ベロウファ、ジネブ・セディーラが最終候補に選出されていた。

メリック・オハニアンは1969年リヨン生まれ。現在はパリとニューヨークを拠点に活動を続ける。90年代より、物質的な側面や概念的な側面から時間を考察する映像作品を制作するとともに、空間における映像の新たな構築や展示の方法を模索している。現在開催中の第56回ヴェネツィア・ビエンナーレで国別パビリオン部門の金獅子賞を受賞したアルメニア館に参加しているほか、2007年の第52回ヴェネツィア・ビエンナーレにも参加。これまでに第14回シドニー・ビエンナーレ(2004)、第3回ベルリン・ビエンナーレ(2004)、第6回光州ビエンナーレ(2006)、第10回シャルジャ・ビエンナーレ(2011)といった国際展への参加、パレ・ド・トーキョー(2002)、サウス・ロンドン・ギャラリー(2006)、デ・アペル(2006)、ヴァロリスのピカソ美術館(2012)、ユタ現代美術館(2014)などで個展を開催している。日本国内では、CCA北九州にリサーチ・プログラム教授として2003年と2007年に滞在、個展を開催している。

マルセル・デュシャン賞は、2000年にADIAFがポンピドゥー・センターとの共催で創設し、フランス人もしくはフランス在住のアーティストに賞金とポンピドゥー・センターでの個展の権利を与えている。近年は、国際的に知られるアートフェアFIACの会場グラン・パレにて最終候補者による展示、同アートフェア期間内に受賞者の発表が行なわれている。歴代受賞者にはトーマス・ヒルシュホルン(2000)、ドミニク・ゴンザレス=フォルステル(2002)、シプリアン・ガイヤール(2010)、ダニエル・デワール&グレゴリー・ジッケル(2012)、ジュリアン・プレヴュ(2014)などがいる。

フランス現代美術国際化推進会(ADIAF)http://www.adiaf.com/

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