エムダッシュ賞2013、ピルヴィ・タカラが受賞

2013年6月20日、ロンドンのフリーズ・ファウンデーションはエムダッシュ賞2013にピルヴィ・タカラ(Pilvi Takala)が選出されたことを発表した。

ピルヴィ・タカラは1981年ヘルシンキ生まれ。現在はイスタンブールとアムステルダムを拠点に活動している。暗黙のものとされる社会的、文化的規範の働く状況にこっそりと介入していく行為を基にした映像作品、インスタレーション、書籍などを発表している。ボンニエシュ・クンストハル(ストックホルム)で今年開催された個展をはじめ、欧州を中心に精力的に個展を開催、第9回イスタンブール・ビエンナーレ(2005)や多数の企画展、スクリーニングに参加している。
今回タカラの提案したプロジェクトは、12歳前後の子どもによる委員会を設立し、複数のワークショップを通じて、このプロジェクトの最終形態や今後の展望を決定していくというもので、子どもが対等に運営可能な集団的な意思決定プロセスの確立を目指す。ワークショップは、3ヶ月間、フリーズ・アートフェアに先立って、タカラ、アーティスト兼教育者であるポリー・ブラナン(Polly Brannan)、子どもたちで行われ、最終的な決定は同アートフェアで発表される。

同賞は2010年にカルティエ・アワードに代わって、大学もしくは大学院卒業から5年以内、もしくは35歳以下の英国外在住のアーティストを対象として設立された。受賞者には、フリーズ・アートフェアにおける新作展示の機会と、制作費10,000ポンド、アーティストフィー1,000ポンドが与えられ、さらに、ロンドンのガスワークスにおける3ヶ月間のスタジオレジデンスに招聘される。今回審査委員を務めたのは、フリーズ・ファウンデーションのキュレーターのニコラ・リース(Nicola Lees)、エムダッシュ・ファウンデーション創立者のアンドレア・ディベリウス(Andrea Dibelius)、アーティストのゴシュカ・マキュガ(Goshka Macuga)、エムダッシュ・ファウンデーションのアドバイザーのアメリア・フォン・ウェーデル(Amelie Von Wedel)、ガスワークスのレジデンスプログラム担当のローワン・ゲデス(Rowan Geddis)、テート・モダンのフィルム部門キュレーターのスチュワート・コマー(Stuart Comer)の6名。今回は世界各地から550以上のプロポーザルが提出された。過去には、アナヒタ・ラズミ(2011)、セシル・B・エヴァンス(2012)が受賞している。

フリーズ・ファウンデーション エムダッシュ賞:http://www.friezefoundation.org/emdash-award/

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