札幌国際芸術祭2014

2014年7月19日、「都市と自然」をテーマとする札幌国際芸術祭2014(SIAF2014)が開幕する。同芸術祭は札幌初の国際的なアートフェスティバルとして、9月28日まで72日間にわたって実施され、北海道・札幌の都市・環境的課題や過去の歩みをアートとしてふりかえることで、自然、都市のあり方、経済、暮らしを模索し、都市と自然との共生のあり方を問う機会となる。

同芸術祭の中核として、北海道近代美術館と札幌芸術の森美術館では企画展示「都市と自然」が開催される。前者では岡部昌生による大規模な夕張炭鉱遺構のフロッタージュ作品、アンゼルム・キーファーのインスタレーションなどを通して、北海道の炭鉱史から原子力まで、エネルギーの転換期とそれを取り巻く環境や社会背景といった近代化の過程を再考する。また、後者では中庭に設置される中谷芙二子の霧の彫刻の新作、野外美術館の森に展開するスーザン・フィリップスのサウンド・インスタレーションのほか、アートと科学が交差する地点から都市と自然を考察する作品群が並ぶ。


Above: 「メランコリア」1989年 福岡市美術館での展示風景 福岡市美術館蔵 Photo: 山崎信一. Below: 中谷芙二子〈参考作品〉「Fog Sculpture #47636 “風の記憶”」2013年. 豊田市美術館での展示風景 Photo:谷川寛

そのほか、札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)での特別展示「センシング・ストリームズ」に参加する毛利悠子の作品「サーカスの地中」が展示される歴史的建造物「清華亭」も展示会場に加わり、自然や街並み、公園、歴史的建造物、地下歩行空間と札幌市内全体を舞台に展開する。

なお、ゲストディレクターを務める坂本龍一が中咽頭がんであることが判明し、治療に専念するため同芸術祭の各プログラム、コンサートへの出演は見合わせることとなった。

会期中の各プログラム、関連イベントは公式ウェブサイトなどを参照。

札幌国際芸術祭2014:https://www.sapporo-internationalartfestival.jp/

札幌国際芸術祭2014
2014年7月19日(土)-9月28日(日)
北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館、札幌駅前通地下歩行空間、札幌大通地下ギャラリー500m美術館、モエレ沼公園、札幌市資料館、北海道庁赤れんが庁舎、ほか

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