フェスティバル/トーキョーが新体制へ

2013年12月18日、フェスティバル/トーキョー実行委員会事務局は、当実行委員会の承認を得て、来年度から新体制へと移行することを決定した。それに伴い、現プログラム・ディレクターの相馬千秋に代わり、現実行委員長の市村作知雄が来年度よりディレクターに就任する。

2009年2月に始まったフェスティバル/トーキョー(F/T)は、相馬のディレクションの下で6回開催され、新しい価値の創造を目指すフェスティバルとして、その実験性、独自性が国内外から高い注目を集め、日本およびアジアを代表する国際舞台芸術祭のひとつへと成長してきた。
これまで、F/Tで発表されてきた高山明(Port B)や飴屋法水などの劇場の外に演劇を展開した作品は、それ故に演劇の持つ可能性の再考を促した。国際的に活躍する劇団、演出家の参加はもちろん、F/T11より対象をアジア全域に拡大した公募プログラムやシンポジウム、批評など、さまざまな企画において、国際舞台芸術祭の持つ現代社会の問題意識を共有し、考えるというひとつの役割を積極的に担ってきた。また、F/T11で掲げた「私たちは何を語ることができるのか?」というコンセプトに、「ことばの彼方へ」(F/T12)、「ことばの彼方へ」(F/T13)と時間をかけて応答していくことで国際舞台芸術祭を一回性ではなく、より長期的な視野で捉え、プラットフォームを築こうとする意志をみせている。

今後は新ディレクターの市村のディレクションの下、より一層、各地のフェスティバルや劇場との連携を深め、より開かれたフェスティバルを目指していく。なお、F/T14の新体制とプログラムの詳細等は正式決定後に発表されるが、2020年のオリンピック開催を控える東京における国際舞台芸術祭として、どのような方向性を打ち出すのかが注目される。

フェスティバル/トーキョー:http://festival-tokyo.jp/

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